「画面を伸ばしたり、縮めたり。楽しかったです」
中でもSF色あふれる仕掛けが施されているのが、国際企業・BF社の研究所。所長オン・サンを演じるムセンは「(CGの)スクリーンがある前でそれを操作しているふうに身振り手振りするシーンがありましたが、スタッフの方が『ここにはどういう映像が出てどういうボタンがあって』と詳しく説明してくださったので、徐々に慣れました。画面を伸ばしたり、縮めたり、頑張って演じました。踊っているようで、楽しかったですよ」とCGシーンならではのエピソードを披露。「完全なSF作品なら無限の想像力を羽ばたかせればいいんですが、近未来なので現実にもありそうだと思っていただけるようなディテール、細部が調和をなさないといけないんです。ですからすごく細かい作業が求められました」と明かした。
そんなムセンの“CG演技”を目の当たりにしたのが企業のトップ・ジャユ役のヒョジュ。「私は代表なので、私がスクリーンを直接タッチする演技はなかったんですけれど、そばでオン・サンが熱心に演技をしているんですね。何もないところで手を伸ばしたり、回したり、クリックしたりする姿を見ていて、大変だろうなと思っていました」と、オン・サン役のムセンの演技を称えた。
一方、国務総理ソヌ・ジェ役のヒジュンは、CG演技とは無縁の撮影だった様子。「私は彼ら(BF社の研究メンバー)が研究したものを取り上げようとする役なので、特にCGで大変なことはなかったですね。ずっと国会のような場所や、高級レストランにおりました(笑)」と打ち明け笑わせた。
「こんなに今AIが話題になっていようとは思わなかった」
舞台を近未来に設定し、多数のユニークなCGシーンを取り入れたチョルファン監督は「“近未来”なのでリアリティーを大事にしました。実際に撮影していた時は、こんなに今AIが話題になっていようとは思わなかったので、(撮影当時は)現実のシーンにCGを持ってきたときに不自然さがないように、と考えていました」と苦労を振り返った。
人工培養肉というモチーフを通じて、さまざまな社会的問題にも触れていくという本作。ヒジュが「脚本を初めて手に取った時に、今だからできる賢いシナリオだと思いました。一気に読みました」と語れば、主演を務めるジフンも「私たちは皆さんに楽しんでいただくために作品づくりに参加しているわけなんですが、本作に限っては、いろいろと考えさせられる要素があると思います。この作品が、その敷居を低くして、“こういう問題について考えてみましょう”という問いを投げ掛けるきっかけになればと思っています」と作品に込めた思いを語った。
「支配種」は4月10日(水)より、ディズニープラスのスターで独占配信開始。
◆文=ザテレビジョンドラマ部