大学時代の思い出はテニサー
――本作では大学時代の出来事が重要な要素となってきますが、それにちなんで学生時代のお話もお伺いできればと思います。田中さんご自身は大学生の頃、どんな学生生活を送っていましたか?
中学・高校が女子校で、大学生になって初めて共学を経験したので、男の人が大学内にいる環境がそもそも自分にとって新鮮でした。テニスサークルに入り、のびのびと、楽しく、学生時代を謳歌(おうか)できたかなと思います。
学生のうちにインターンシップや実践的なワークショップ、セミナーなどを受けておいたほうが就職に有利なのかと気にされる学生が、今は多いと聞いて驚きました。あくまで個人的な意見ですが、私は、学生のうちにしかできないことを存分に楽しんでほしいと思ってしまいます。とにかく、たくさんの楽しい経験をしてほしい! 旅行したり、サークル活動を楽しんだり、飲み会に行ったり、そういう「学生生活」を目いっぱい楽しむといいよって。
社会人になると自分の時間がなかなかとれない。旅行もできない、思いっきりふざけ合うこともできない。「学生だから」って許されるうちに、いっぱい怒られて、恥をかいて、遊んでください。もちろん、学生の本分はきっちりと全うしたうえで。
私は大学時代、サークル活動に勤しんでいた気がします。“テニサー”と聞くとチャラチャラしたイメージが先行しがちですが、練習にも部活動さながら真面目に取り組むサークルでした。私はテニス初心者で、できないことが悔しくてたまらなくて、日が暮れてからも練習したり、休みの日もコートを借りて練習していました。
試合中は手にできたマメがつぶれてラケットが血だらけになったり、途中足がつりそうになって腕に振りかけた塩を舐めながら続けたり…。真剣に何かに打ち込んだことが学生時代の良き思い出です。
――そうした大学時代の経験が、本作でカオリを演じる中で生かされた部分はありましたか?
このドラマの中で通ずる部分があるかはわからないですが、学生時代の「青春」って、ひとつのことにバカみたいに一生懸命になれる一方で、幼さ、未熟さ、不安定さが共存していて。それがひとつの魅力なのかなと感じました。
第1話では及川カオリの不安定な部分が鮮明に描かれていたけど、きっと、他のみんなもそうだったと思うんです。大人みたいなところと未熟で幼い衝動が入り混じった時期に失った友の存在が、30代になっても、いつまでもまとわりついて、運命をゆがませていくのかなと。
第2話の見どころは「奏と真樹の再会のシーン」
――最後に、第2話の見どころを含め、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします!
カオリが亡くなってから12年が経ち、学生時代の仲間たちは大人になってそれぞれの人生を生きています。そんな中、奏と真樹が再び出会ってしまう。そのシーンが本当に不意に訪れるのですが、グッと来てしまいました。
「何で今(現れるの)?」という奏の驚き、怒り、抑えても湧き上がってきてしまう愛しさ。何の前触れもなく、あの頃のようにふらっと現れる真樹の罪深さ。何事もなかったかのように目の前に現れて、「変わんないね」とか普通の話をされて…。真樹ってそういう人じゃないですか。その時の奏の様子が、見ていてたまらなくて。胸がザワザワして涙がこぼれました。
1話は私の周りでも好評で、映画を1本見たような満足感があると自負しているのですが、2話、3話と回を重ねるごとに面白さが加速します。最後まで楽しんでご覧いただけると確信していますので、どうか、毎週ご覧ください!!
毎週火曜夜9:00-9:54
テレビ朝日系にて放送中
出演=石原さとみ、亀梨和也、安藤政信、宮澤エマ、矢本悠馬、曽田陵介・田中みな実・高畑淳子、佐々木蔵之介、仲村トオル
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