「何でもない日常を描くような作品をやってみたい」
――役者の方がプロデュースを手掛けられることも最近また増えてきていると思いますが、もし浅野さんがプロデュースするとしたら、どんなタイプの作品を手掛けてみたいですか?
現代の日本人…僕と同じくらいの50代の男とか、そういう人が主人公の何でもない日常を描くような作品をやってみたいですね。そういった日常を描くことは意外と難しいと思うんです。でも、そういう作品も世界中の人が共感してくれるものになるような気もするんですよ。
――浅野さんのプロデュース作品もいつか見てみたいです。
ありがとうございます(笑)。
――「SHOGUN 将軍」もいよいよクライマックスです。毎回内容が濃くて、「この人物がここでいなくなるの?」と驚きながら見ていますが、最後どういうところに注目して見てもらいたいですか?
登場する人物それぞれが何かしらを抱えているんですよね。その抑圧されたものが溢れ出すというか、爆発するというか、それぞれの思いが見えてきます。うまく言葉では言えませんが、そういった言動が、これまでの話とつながってくると思いますので、最後まで楽しんでいただけたら。
――最後に浅野さんの“役者”として大事にしていることを聞かせていただきたいです。もちろん作品ごとに違うとは思いますが、いつもどのように作品や役柄と向き合っていますか?
自分の役がどういう役か、ということですね。自分の役はまさに“役割”で、物語の中でどういう役割を託されているのかな?ということをまず考えます。今回の「SHOGUN 将軍」でもそうでした。藪重というのは大きな役ですし、虎永様や石堂様の顔色をうかがいながらもいろいろと引っかき回す役ですから(笑)。
それは結構な勢いで食い込んでいかないといけないなと思いました。逆に、(北野)武さんの映画「首」(2023年)では黒田官兵衛役だったので、そこまで出しゃばる役割ではないですし、後ろで静かに控えていることでその役の魅力が最大限に出ますし、物語をより面白くさせる要素になれると思うんです。同じ時代劇でも、役割が違うと、演じ方も変わってきますし、それがやっていて面白いところでもありますね。
――最終話が配信された後「SHOGUN 将軍」ロスになりそうな感じがします。
そう言っていただけるのは本当にうれしいですね(笑)。あくまでも個人的な希望ですけど、登場するキャラクターも個性があって魅力的な人物も多いので、スピンオフ的な作品とかもあったらうれしいなって思ったりしますし、いろんなことが考えられるんじゃないかなって。でも全10話、各話見応えがありますので、よりたくさんの人に楽しんでもらいたいです。
◆文=田中隆信
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/shogun/
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発売日: 2013/06/20
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