コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、にいちさんがX(旧Twitter)上に投稿した漫画「現実もたまには嘘をつく」だ。6.5万いいねを集めた2018年の第一話に始まり、現在でも更新のたびに1万以上のいいねが集まる人気シリーズだ。今回紹介する話は単行本『現実もたまには嘘をつく』に収録されている第1話と第2話だ。『現実もたまには嘘をつく』は現在全5巻が発売となっている。今回は作者のにいちさんに制作の背景を伺った。
ネトゲで知り合った友達と初めて出会ったら…
主人公の寺崎薫は、ネットゲームで知り合った友達と初めて会う約束をしていた。
ゲーム内でとにかく気が合い、徹夜でゲームをしたり長い時間一緒に過ごした仲。何より好きなゲームキャラについて熱く語り合える友達に巡り合えて、薫はとても嬉しかった。
そして実際に会うことになった2人だが、薫にはある問題が…。実はゲーム内で女性キャラを使っていたため、相手が自分のことを女性だと思っている可能性が高い。
待ち合わせの駅で謝る練習をしていると、そこにやってきたのはかわいらしい女性・七海。実は七海も男性キャラを使っていたのだ。
薫が実は男性だったということにショックを受ける七海。ショックを受けた理由に女の子と友達になりたかった…という内容のほかに、両親に女の子の友達を家に呼ぶという約束をしてしまっていたのだ。
そこで七海がふと「薫が女装すれば良いのでは…?」とひらめく。
今作はそんな2人が繰り広げる友情ストーリーだ。
実際に漫画を読んだ人達からは「全人類見てほしい」「ネト充のススメや…」「伝説の始まりだ…」「いい1話すぎる」「いろんな人に読んでほしい作品!」「この作品に出会えてほんと良かった」「感動した」と、いった声があがっている。
今回は、作者・にいちさんに『現実もたまには嘘をつく』の制作について話を伺った。
作者・にいちさんの創作背景とこだわり
――「現実もたまには嘘をつく」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
昔からオンラインゲームが大好きで、画面の向こうにはどんな人がいるんだろうとワクワクしながらプレイしていました。
そんなワクワク体験から着想を得て、「オフ会で会う二人が、どちらもゲーム中で性別を偽っていたら?」「現実で性別や立場が逆転(女装)すると面白いんじゃ?」と想像を膨らませて生まれたのが「現実もたまには嘘をつく」です!
――「現実もたまには嘘をつく」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」とい
うポイントがあればお教えください。
薫と七海の成長です。
「現実もたまには嘘をつく」のメインは薫と七海のラブコメなんですが、その端々には、
二人が抱えている問題や葛藤がときおり顔をのぞかせます。
「自分らしく生きるとは何か」「大切な人の死を、どのように受け入れるのか」
そういった答えのない問いに向き合い、共に支え合いながら前に進む二人を見守っていただければ嬉しいです!
――単行本「現実もたまには嘘をつく」は全5巻発売されていますが特にお気に入りのシー
ンなどがあればお教えください。
不登校だった七海が再び学校に通うことが決まり、七海ママがこっそり涙を流すシーンです。
ラブコメにおける親は、主人公たちを見守るサブキャラクターとして描かれがちですが、僕はむしろ「子と共に成長する親」を描きたいと思っています。
子供目線ではいつでも味方でいてくれて、頼りになる親。
でもその親だって、ほんの20年ほど先を生きているだけの人間です。
いろいろ悩んだり、間違えたりしながら、それでも子供にとって「頼りになる親」でいら
れるように前を向く。
そういった、キャラの年齢、ステージに合わせた等身大の歩みを描ければと思っています。
――普段、漫画のストーリーやキャラクター設定はどこから着想を得られることが多いでし
ょうか?
実は、決まってないんですよね。
ふとタイトルを思いつくこともありますし、オチのシーンが頭に浮かんで、そこからストーリーを組み立てることもあります。
カフェや雑踏で耳に入る会話から想像が膨らむことも。
最近は、自分の漫画を読み返しているときに新しい話を思いつくことが増えてきましたね。
――にいちさんの今後の展望や目標をお教えください。
「現実もたまには嘘をつく」のweb連載は、現在最終章に入っています。
6年近く続くこの連載をしっかりとまとめ上げ、一つの作品として綴じ切ることが当面の
目標です。
とはいえ、急ぐことなく、薫と七海の歩みに合わせて一歩ずつ物語を進めていこうと思い
ます。
――最後に、にいちさんの作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
いつも応援いただきありがとうございます!
作品公開後に、皆さんからいただいたコメントを一つ一つ読む時間が、僕にとって一番楽
しい瞬間です。
日々の創作活動は大変なことも多いですが、これからも皆さんと一緒に、楽しみながら前
に進んでいければと思います!