『からかい上手の高木さん』は「小豆島で本当に愛されている作品」
――現時点でさまざまな名シーンが誕生していますが、今泉監督のお気に入りのシーンがあれば教えてください。
原作やアニメでは高木さんの<変顔>をあえて見せずに西片のリアクションで表現していたのですが、実写ドラマでは見せています。そのことに対して、原作ファンの方から「高木さんの変顔は見たくなかった」という意見などもあったのですが、あれには自分なりに理由があって。それは7話のラストシーンのためでした。
2話と5話では、ただ西片をからかうためだけに存在していた<変顔>を、一番切ない場面でもう一度、西片に向ける。そんな気丈な高木さんを表現したくて、あえて変顔を写すことにしました。
あの高台での二人のやりとりは、あまり細かい演出はしていないのですが、本当に素晴らしかったですね。撮影終盤に撮ったのもあって、この撮影が終わっていくことへの寂しさも二人の表情やお芝居に乗っかっていたかもしれません。
――アニメの“聖地”小豆島での撮影裏話はありますか?
ドラマの中で書店が出てくるのですが、撮影で使用した書店はアニメにも登場するなど、ファンの方の中で聖地化していることもあり、いざ行ってみると『からかい上手の高木さん』を売っているコーナーが大々的に展開されていて…(映り込むと)パラレルワールドのようになってしまうので、そこを避けて撮影しました(笑)。
中学校の図書館も、山本先生の母校だったので“OBの活躍”として漫画がたくさん置いてあったので、撮影の時だけ片付けさせていただいたり…小豆島で本当に愛されている作品なんだなと実感しました。
――最後に第8話(最終話)に向けての見どころと、読者へのメッセージをお願いします。
最終話では高木さんと西片の電話でのやりとりが登場するのですが、お互いに顔が見えないからこそのからかいや、意図せずに勘違いから起きる西片から高木さんへのキュンとする言葉だったり、その場に相手がいないからこそ見せる高木さんの表情が魅力的だと思います。きっと楽しんでいただける仕上がりになっていると思います。
もちろん、映画につながるようなシーンもありますので、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。
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