「復讐に快感を得ていたんじゃないのか?」
そんなある日、優香の息子・結人(近江晃成)の父親が自分だと知った光星は、彼女と結人を食事に連れ出した。優しい笑顔で結人に接する光星。その表情からは、彼が冷徹な悪魔だとは全く感じられない。優香と交際していた7年前も、常に彼は優しい目で彼女を見つめていた。そのまなざしは完全に偽りだったのだろうか…。「優しい目をしている」と、光星を信じ切っていた優香は、恐ろしい思惑が隠されているとは夢にも思わなかった。
結人が席を外し、2人きりになった時、光星は「中村家に復讐ができて、祝杯をあげたいんじゃないか?」と、優香のグラスにワインを注いだ。これまでの優香の復讐はもちろん、彼女が描く青写真も、光星は全てお見通しだった。あまりにも図星で何も言い返せない優香に、彼は、るり子の不倫による離婚は彼女の父親に貸しを作る事となり、むしろ好都合だった。仕事も社内の地位も今まで通りで何の痛手も無いのだ、と告げた。
「残念だったな」と高笑いする彼に「最低!あなたはいつも私の苦しむ姿を見て楽しんでる」と怒り心頭。そんな彼女に「君もだろ?復讐に快感を得ていたんじゃないのか?」と言う光星。その言葉に、弘子やるり子が苦しむ姿を見て、大笑いして楽しんでいた自分の姿を思い出し、がく然とする優香…。
「結婚しよう。もう一度」
「僕と君は元々似ているんだ」と言う光星に、彼女は悪魔になりかけていた自分を打ち消すように「あなたとは違う!」と必死で否定した。動揺する彼女を見つめながら、光星は言った。「結婚しよう。もう一度」。
光星の真意は何なのだろうか。るり子に対しては一切無かった執着心を優香には持つのは、歪んだ愛の形なのだろうか。次回、彼が何故優香の肝臓を奪ったのかが明らかになるようだ。そして、復縁を迫られた優香の答えは…。あからさまに反発するより、懐に入って復讐を進めるのも1つの手ではある。優香を諦められない小栗(戸塚純貴)や、復讐の道具にされたのだとそろそろ気付きそうな賢三(田村健太郎)の今後の動きも気になるところだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
※桐山漣の「漣」のしんにょうの点は一つ