高橋海人“Q”は、29年を経て出した「答え」を伝えに仲間の元へ 大団円の最終回に「私の中に大きく残る作品」の声<95>
King & Princeの高橋海人が主演を務めるテレビ東京開局60周年連続ドラマ「95」(毎週月曜夜11:06-11:55、テレ東系/Leminoにて配信)の最終回が、6月10日に放送された。大乱闘の果てに1995年という年が終わり、新しい年が始まる。渋谷を彩る花火の思い出を抱えて生きるメンバーたちのその後に、「私の中に大きく残る作品」「いい作品に出会えて良かったな…」といった声が集まっている。(以下、作品のネタバレを含みます)
「95」とは
原作は、「イノセント・デイズ」で第68回日本推理作家協会賞を受賞した早見和真氏が、受賞後第1作目として最大級の熱量で綴った最強青春小説。大人の作った社会の仕組みにあらがい、大切なものを守りながら、1995年の渋谷をがむしゃらに駆け抜けた高校生たちの熱い物語。テレ東ドラマ初出演・初主演の高橋(King & Prince)が、主人公・広重秋久(通称:Q[キュー])を演じる。
さらにQを取り巻く同級生も豪華メンバーが集う。黙っていても人を引きつけるカリスマ性があり、Qをチームに誘い入れる鈴木翔太郎(通称:翔)を中川大志が演じ、翔と幼なじみでQが思いを寄せることになる岸セイラに松本穂香。畳屋の息子で明るくムードメーカー的存在の丸山浩一(通称:マルコ)を細田佳央太、暴力団幹部の息子で翔やセイラと幼なじみの堺怜王(通称:レオ)を犬飼貴丈、レオと同じく翔・セイラと幼なじみでけんかが強い新川道永(通称:ドヨン)を関口メンディーと勢いと話題性のある俳優陣が結集した。
大乱闘の果てに見る決着
牧野博利(三浦貴大)が仕組んだ罠によって、暴走族・キューティーハニーの襲撃を受けたQたち。それでも年末に渋谷で打ちあがる花火に勇気づけられ、からくも撃退に成功する。しかしそこに、拳銃を持った宝来隼人(鈴木仁)が乱入。どう見ても正気を失ったようすの宝来は照準が定まっておらず、全員に緊張が走った。
しかし一瞬の隙をついた翔が、なんとか宝来の制圧に成功。銃を蹴り飛ばした…のだが、それを拾い上げたのは倒したはずの大黒だった。やはり不気味な笑顔を浮かべたままの大黒は、特に見もせずに発砲。弾丸が、翔の足を貫く。
発砲は一発のみで収めて改めて大黒を倒したメンバーたち。だが翔の出血が酷い。セイラを“解放”するために歩みを止めるわけにはいかないQたちは、ひとまず翔の足をきつく縛って“目的の場所”まで歩み出す。
だがその最中、実は牧野の手下だった栗田健吾(井上瑞稀)や乱闘を聞きつけた警官たちといった障害が立ちふさがる。レオやマルコ、ドヨンたちが1人ずつ問題を請け負ってQたちを送りだしたのだが、やがて翔に限界がやってきた。
ついに道半ばで動けなくなった翔は、それでもQに「行け」と言う。「俺も死ぬ気で生きる。だからお前も…Q、行け!」体中から流れる血にまみれた顔は、それでも飛び切りの笑顔。Qをチームに誘ったあの日のように、楽しさが内側からあふれたような表情だ。
セイラを解放するため持ってきた銃を、改めて握らせた翔。逡巡するQを乱暴なほど強く押し出し、「Q…ゴー!」と力強い声でQの背中を押した。
泣きそうな顔で駆けだしたQがたどり着いたのは、牧野の事務所。銃を構えるQに対して、待ち構えていたような牧野はなにもしない。牧野が隠していた援助交際の証拠写真を全て奪ったQは、改めて自陣へQを誘う牧野に発砲で返事をする。最後を飾る特大花火の音が、Qの発砲音をかき消す…。
「こんなんじゃ、時代は変えられねえよ」そう言って笑うQ。牧野は銃撃で破壊された時計を見ながら、「俺だけ年越せねえじゃねえか」と疲れたようにこぼすのだった。