若葉竜也「台本にないアドリブは、わりとバレてない」視聴者からの反響に「ニヤニヤしてます」<アンメット>
――ネットで若葉さんが「世界に知られてしまったか」と話題になりました。それは、「俺たちの若葉竜也が世間に見つかってしまった!」というようなファンの熱量を感じます。そういった声は、ご本人に届いていますでしょうか?
めちゃくちゃ届いています(笑)。昔から応援してくださっているファンの方、僕がまったく仕事をしていない時から見てくれている人は、ある程度認識してるんで。本当に礼儀正しくて、秩序が守られたファンの方が多くて、人格がすごくすてきなんだろうなと思います。ただ、やっぱり僕はひっそりと暮らしていたいですね。有名になる事とか、ブレイクとか、本当に興味がないんだと思います。
――第7話で今泉力哉監督がコーヒーショップの店員役として出演しました。今泉監督とどんなお話をされましたか?
今泉さんが出たらきっと面白いだろうなと前からぼんやり思っていて…。プロデューサーの米田(孝)さんや杉咲さんに話したら、2人とも今泉さんどうかなと同じように思っていたみたいで、なるほどじゃあどこではめられるかなと…カフェ店員役はわりと満場一致でしたね。
――これまでの放送で、好きなシーン、印象に残ったせりふがあればお教えください。
アドリブっぽく見えるとこほど、実は台本があって、台本にないアドリブは、わりとバレてないんです。そういったあたりの感想をみて、ニヤニヤしてますね。例えば、第6話の「チクっとしますよ」というのは、台本通りです。あれは、何カットも撮った上で笑うタイミングとか、せりふの間とかしっかり作られた芝居として存在していて。逆に、第3話の「ぶっ飛ばします。昨日ロッキー見たんで」、あれはアドリブですね。原作の中に、三瓶は、ロッキーが好きというくだりがあったので、頭にあって。その場でやってみて、そのシーンを撮影してから、スタッフさんがせりふとして“ロッキー”が使えるかを確認してましたね。台本では「あの野郎」だけでした。そういうシーンはたくさんあるので見つけてください。自分のお気に入りを探してくれたらうれしいです。個人的には星前(千葉雄大)がお母さんの事を話すシーン。感動しました。素晴らしすぎるお芝居でしたよね。あとは術者の景色を見たミヤビが「忘れたくないなぁ」と呟くシーン。杉咲さんがあのせりふをあの温度で発した事に鳥肌が立ちました。第4話のラスト、綾野の「前にもこんなことあったな」ってとこも本当に素晴らしかったですね。
――第10話や最終話にむけて「アンメット」視聴者にメッセージをお願いします。
前回放送の第9話は、「アンメット」チーフ助監督の日高(貴士)さんが監督をしていて、ずっと傍らで見てくれていた方だったというのもあって、自由にやらせてもらいました。最後のシーンは、14分長回しだったり。近くで見ていてくれたからこそ、撮れた画がたくさんある。照明部、撮影部、録音部、演出部という各部署が力をあわせていろんなアイデアを出して一致団結できたなと思います。撮影前のリハーサルでは数十人のスタッフが輪になって芝居を確認して1カットのために1時間以上セッティングして全員緊張してカメラがまわる。最高に贅沢な時間でした。第10話-11話は、またメイン監督のYuki(Saito)監督が担います。Yuki監督は繊細に芝居をみて、掬い取ってそれをしっかり作品に組み込む方なので俳優としては緊張する相手です。同時に僕もそんな監督がなにを見つめているのかを細かく見ています。演出家と俳優として緊張感がある理想的な関係性なので、一瞬の油断もできません。我々は第9話ラストから第10話、11話は1本の作品だと思ってます。いろいろなものがうごめき出していきます。ぜひ目撃してください。
※日高貴士の「高」は正しくは「はしごだか」