「それぞれの感情をちゃんと乗せて話す難しさを痛感しました」
――櫻井さん、玉山さんとの撮影はいかがですか。
今日ちょうど第1話の山場の3人のシーンを撮ったんです。清家が表に見せている顔と、鈴木の思惑と、道上の思いが交差しているのをどう見せるのが一番効果的で、シーンとして素晴らしいものになるかというのをすごくディスカッションして進めました。
状況の説明をするせりふや相手に詰め寄るせりふの中に、道上の感情や鈴木の思いなど、それぞれの感情をちゃんと乗せて話す難しさを痛感しました。
私は現場では、どれだけみんなとコミュニケーションを取れるかが大事だと思っていて。時に緊張感を保てるような関係性を作るためにも、キャストに限らず現場のスタッフさんとも、「今日元気なのかどうか」ということも分かるような距離感でいたいと思っています。
――玉山さん演じる鈴木という人物についてはどう捉えてらっしゃいますか。
なかなか手強そうですよね。清家とはまた違う腹の内が分からない感じがとても怖くもあるしそそられるというか。
玉山くんはお芝居に対して実直で真面目な方です。こうした方がいいということがあれば隠さずにみんなに話してくれますし、私や櫻井くんにもアドバイスをくれたりして。お芝居を本当に好きな人と一緒にできている喜びを実感しています。久しぶりの共演ですが、すごく心強く思っています。
――続いて、櫻井さんが演じる清家に関してはいかがでしょう。
清家もまた違った怖さがありますが、清家には“不思議さ”があると思います。清家は腹の内が分からないというより、何を考えているのか、そもそもの素性が分からない感じ。“宙に浮いている”ような人物だなと。
以前玉山くんが取材で櫻井くんご本人のことを、「一般的なイメージとして、プライベートの素性が分からない」という話をしていたことがあったんですが、そういう部分が清家の異様さというか「本当は何をしてるんだろう」というところにつながっているように思います。
櫻井くんとは、約10年前に今回とは正反対の役柄で共演して以来ですが、今回の役柄はぴったりの役柄だと思います。櫻井くん自身、お芝居はもちろんキャスターやバラエティー番組など、いろんな側面の顔を持っている。そういうところが清家と似た状況だったり、雰囲気だったりするのかなと思いますね。
――視聴者にメッセージをお願いします。
たくさんの人物がいろんな交わり方をしながら話が展開していくところがこの作品の一番の面白みだと思います。道上が信念を持って、事件のこと、清家と鈴木のことを追っていく姿を私自身も楽しみながら、緊張感を持ってやっていきたいです。
政治をテーマにしたドラマですが、固くて見づらいことはなく、きっと女性の皆さんにも道上の目線と同じように楽しんでいただけるドラマになっていると思いますので、ぜひよろしくお願いします。
※道上の父・兼高の高は正しくは「はしご高」