草なぎ剛が6月26日、都内で行われた映画「ミッドナイトスワン」ロングラン最終上映御礼舞台あいさつに服部樹咲、内田英治監督と共に出席。ロングラン上映がついに最終上映を迎え、作品への思いを語った。
草なぎ剛、服部樹咲の成長に驚き
『ミッドナイトスワン』は2020年に公開され、第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞と最優秀主演男優賞を受賞した作品。草なぎ演じるトランスジェンダーの主人公・凪沙と、親の愛情を知らない少女・一果(服部)の姿を描く。毎週水曜日にTOHOシネマズ日比谷にて上映が続き、邦画史上類をみない異例のロングラン上映となった。
撮影のことはすべて覚えているという草なぎは、「樹咲ちゃんもこんなに大人になられて…僕より背が高くなっちゃったんじゃない?」と服部の成長に驚き。服部は「今、高校3年生で。もうすぐで18歳になります」と明かし、草なぎは「18歳になるの? 完全に大人になられて…本当にうれしいですよ」と目を細めた。撮影中は鳩が苦手だったという服部。草なぎが「今は?」と尋ねると、服部は「今は大丈夫です」と答え「野菜も好きになりました」とほほ笑んだ。
草なぎ剛、作品との出会いに感謝
内田監督が「草なぎさんは衣装合わせの段階で完全に凪沙になっていた」と振り返ると、草なぎは「僕は普段はあまり台本を読まないんですけど、この作品はちゃんと読み込みました」と告白。最初に読んだときには涙があふれ出てきたと言い「なんの涙かよくわからなかったんだけど、自分が流した涙を観客の方に伝えたい作品だなと思いました」としみじみ語った。
また、草なぎは「映画は自分の人生においてとても大きなもの」だと口にし「凪沙がいなかったらもちろん今の自分ではないと思うし、『ミッドナイトスワン』という作品に出会えたから、最高の自分になっていると思うんです」としみじみ。「とても良い役に監督が巡り合わせてくれたおかげで、すごく幸せに生きられています。ありがとうございます」と内田監督に感謝した。
最後に草なぎは、今となっては自分が凪沙という役をやったことが信じられないと言い「自分の中に自分も知らない何かがあるのかもしれない。それはすごく素敵なこと。自分の可能性や自分の未来をあきらめないでもらいたいなって。そんなことを凪沙を通じて思いました」としみじみ。「今困っていることがある方や、ちょっと大変だなと思われている方も、自分すら知らない良い自分が必ず眠っていると思う」と口にし「乗り切れるチャンスは必ずあると思うので、この映画を見て前向きになっていただけたらいいなと思います」とあいさつした。
◆取材・文=山田果奈映