美和子と亜里沙は幼なじみだが、仲が良いわけではなかった
政界からの圧力なのか、これ以上の詮索は出来なくなった。しかし、道上は父親の死にも関わることなので諦めることが出来ず、辞表を出してフリージャーナリストとして調査続行を決意した。
道上が、群馬にある真中亜里沙の実家を尋ねると母親が一人で暮らしていた。亜里沙とは20年以上会っておらず、行方不明者届けを出したが何の連絡もないという。“三好美和子”の名前を出すと、その人物は亜里沙の幼なじみということが分かった。それと、中学生か高校生の頃に“三好美和子”の名前を使って、原稿用紙にいくつかのシナリオか作文のようなものを書いていたことも分かった。
亜里沙と美和子は幼なじみではあるが、仲が良かったわけではなく、亜里沙は美和子にいじめを受けていたことも同級生だった男性の話から判明した。しかし、他の同級生たちは亜里沙について聞かれても口が重く、結局、それ以上の収穫はなかった。
清家の母親を探しに愛媛に行った道上だが、実はもうすでに会っていた
次は清家の母親のことを調べようと思った道上は、鈴木に美和子に関する新しい情報、つまり美和子は偽名で“真中亜里沙”が本当の名前だったことを教え、交換条件として清家の母親の名前を聞き出した。母親の名前は“浩子”だった。
母親について何か情報を得ようとした道上は愛媛へ。実家は空き家になっていたが、近くの寺の住職に話を聞くことが出来、写真も見せてもらえた。その写真を見て、道上は驚いた。愛媛に来る前日、母親のお店に客として来ていた女性(高岡早紀)だったからだ。
ここで一気に、清家の母親・浩子の存在がクローズアップされることとなった。
清家をコントロールしているのは母親の浩子なのだろうか
政治家の清家一郎を裏で操っている人物は誰なのか。最初は、学生時代から成績優秀だった秘書の鈴木が怪しいと思われていた。しかし、清家の大学時代の恋人・美和子…本当の名は亜里沙だったが、「27歳」という年齢にこだわっていた彼女がコントロールしていたのではないかというふうに変わっていった。
前回の中でも、高岡早紀が演じる“謎の女”が登場していたが、多くの視聴者が“美和子/亜里沙”だと思っていたことだろう。しかし、その女性は清家の母親・浩子だった。
鈴木の回想の中で、清家を取り巻く浩子と亜里沙のいびつな関係性が描かれていて、その時は亜里沙の方が主導権を握っていたように見えたが、その後、関係性が逆転したのかも知れない。
テレビに映った清家が「逆境は力。信じた道を突き進めばいい」と話していたが、道上も母親の店で浩子から同じ言葉をかけられていた。そして、「母と子の絆は何よりも強いもの」という浩子の言葉も思い出し、戦慄が走った。
開ければ一回り小さな人形が現れてくるマトリョーシカのように、物語が進むたびに“謎の人物”が登場してくる。探しても見つけられない“亜里沙”と、それとは対照的に、探す前に近くに現れた“浩子”。どちらの存在も不気味過ぎる。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
※兼高の高は正しくは「はしご高」