木村拓哉演じる久利生は日本中を夢中にさせる“HERO”だった
久利生が沖縄・石垣島に異動すると聞いて、雨宮は久利生の存在が自分の中で大きく膨らんでいたことを再確認する。それは恋愛感情なのか、同僚として仕事への情熱を教えてくれた男性への気持ちなのかは雨宮にしか分からないのだが、久利生と雨宮が“男女の関係”になりそうでならないむずがゆさみたいなものを視聴者が楽しんだドラマだったことは間違いない。
サッカースタジアムで政治家の身代わりとなって殺されてしまった警備員の息子・良太から、事件解決に導いた久利生へ「検事さんは僕のヒーローだよ」というセリフが出て「HERO」というタイトルが回収された。全話通して久利生は、事件の真相や事実解明に向けてまっすぐ走り回っており、たしかにヒーローの名に相応しい。その後、久利生が良太に「将来の総理大臣守ってんだよ、ヒーローはおまえの親父だろ」と言ってあげるところもひっくるめて、久利生の完璧なカッコ良さが演出されていた。
第1シーズンのラストで久利生と雨宮が結ばれたかどうかのヒントは「カメルーン代表の名前を全員言えたらワールドカップに連れてってやるよ」という2002年ワールドカップの時事ネタが盛り込まれた久利生のセリフから記憶をたどってもらえると良いと思う。思い出せない人はFODを見るか、一世風靡した茶色のダウンコートを着た検事が大活躍したヒット作品があったなという思い出を再度胸にしまって懐かしい気持ちを思い出してほしい。
ポニーキャニオン