身元が分からない遺体をわずかな手掛かりから死の真相を明らかにして家族や恋人の元に帰すために奔走する女性バディの姿を描くミステリーヒューマンドラマ「GO HOME~警視庁身元不明人相談室~」(毎週土曜夜9:00~9:54、日本テレビ系 ※Huluでも配信中)。物語中盤で、小芝風花演じる三田桜と大島優子演じる月本真の過去が明らかになった本作。後半戦に向けて2人はどうなっていくのか、またどのようにして本作が生まれたのかを荻野哲弘プロデューサーに語ってもらった。
死を扱う内容でも後味がいいものになるように意識
――物語はいよいよ後半戦に突入するタイミングですが、反響はいかがですか?
Xで “さくまこ”のハッシュタグが作られるなど、僕らが思っていた以上に小芝さんと大島さんのコンビネーションが受け入れられていると感じています。2人は最初から驚いてしまうほど相性が良かったのですが、撮影を重ねるほど掛け合いのリズムが良くなってきています。元々、八津弘幸さんが脚本を作っているときに、「あぶない刑事」(1986~89年、日本テレビ系)の例を出して、あのような世界観で題材を扱いたいとおっしゃっていたんですよ。そしてキャラクターもタカとユージのような関係性にできればと。そこで女性バディに変えてみてできないか…という話になり、今回のようなコメディータッチな掛け合いを意識した物語になりました。
――内容は死を扱ったシリアスなものなのに、見終わったあとは明るい爽やかな雰囲気になるのが特徴ですね。
身元が分からないご遺体が発見されたところから物語が始まるので、どうしても雰囲気は重くなるんですよ。そこをどうやってエンターテインメントとして見せるのかというのは最初から大きな課題でした。死人に口なしと言いますが、実際に桜や真が明かしたことが絶対の真実とも言えないし、実際は自殺の方が多いという現状で、毎話どういう終わり方を見せるのか悩みました。そこで生まれたのが、ラストに死者の幻が出てくるアイデアです。ファンタジー色が強くなってしまうので危険かもと思ったのですが、そこは演出チームが見事に映像化してくれて。あのシーンができたことで、最後は明るい気持ちで終われているのだと思います。桜と真がやっていることはお節介で業務外のことですが、残された方に彼女たちが調べたことが伝わったとき、後味がいいものになっていれば…といつも心に思いながら作っています。
――オリジナルストーリーということで、脚本家の八津さんのアイデアがふんだんに詰まった脚本なんですね。
第1話は八津さんの単独脚本ですが、それ以外は何人かの脚本家の方が一緒に本を作っています。この企画の生みの親で我々に思いつかないようなアイデアを出してくれる八津さんはもちろん素晴らしいですが、みんながいてこその作品だと感じています。多くの方が関わることにより、多面的に物語を作れていてありがたいです。
桜と真の過去が中盤に明かされる理由
――桜と真というキャラクターを体現している小芝さんと大島さんのお芝居も魅力的ですね。
小芝さんとご一緒させていただくのは3回目なんですが、毎回、セリフに感情を乗せるのが本当に上手だと感じています。脚本で書かれているものよりも小芝さんを通じて出てきたセリフはより感情が乗っていて、見ている方の心を動かすんですよ。そして相手の芝居に対する反射神経が素晴らしく、これは年々研ぎ澄まされている気がします。大島さんとは実はTOKIOの松岡昌宏さん主演のドラマ「Love&PEACE」(1998年、日本テレビ系)でご一緒しているんですよ。そのときはヒロインを演じた佐藤藍子さんの子役時代を演じていて…感慨深い気持ちになりました。今回は常に2台のカメラで撮っているのですが、大島さんを見ているといつもリアクションが的確で驚かされます。そして2人が醸し出す雰囲気が素晴らしくて…。小芝さんが出す桜の初々しさと大島さんが出す真の落ち着いた雰囲気が対比で出ていて、相性の良さも感じました。2人がカメラの前で演じることで、キャラクターがより生き生きしてパワーアップしている。毎回感動しています。
――第1話から桜と真の過去が伏線として張られていましたが、第4話で真の、第5話で桜の過去が描かれました。もっと後半で明らかになると思っていたので、早かった印象があるのですが…。
最初は、最終回に向かって少しずつ明らかにすることも考えたのですが、それだとどうしても毎話の物語が薄くなっていくと感じていて。ならばここはチャレンジとして、中盤に過去を描いて、2人をもっと好きになっていただきたいと考えました。そして物語としては、お互いの過去を知ることで絆が一層深まったことが、後半、どう影響するのか…。楽しんでください。
https://www.hulu.jp/going-home-cops-for-the-lost
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