吉高由里子が主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第33回「式部誕生」が9月1日に放送され、まひろ(吉高)が“藤式部”の名で内裏の藤壺に上がり、そこで物語を書く日々が始まった。周囲に心のうちを見せてこなかった中宮彰子(見上愛)が、まひろとまひろの書く物語に興味を持ち、心を開いていく過程に注目が集まった。(以下、ネタバレがあります)
「帝のお読みになるもの、私も読みたい」
「源氏物語」を生み出した平安時代の女流作家・紫式部の人生を描く「光る君へ」。大石静が脚本を務め、主人公・紫式部こと“まひろ”を吉高が、まひろのソウルメイトとなる藤原道長を柄本佑が演じている。第33回「式部誕生」では、道長に頼まれたまひろが彰子の暮らす藤壺で物語を書き始めるまでが描かれた。
騒がしい宮中で思うように筆が進まず、一度は道長に願い出て里に戻ったまひろ。だが、物語の続きを書いて再び彰子のもとに上がり、彰子の意外な反応を目の当たりにすることとなった。
「帝がお読みになるもの、私も読みたい。帝のお気に召された物語を知りたい」。母・倫子(黒木華)ですら本心がつかめず、宮中で“うつけ”とうわさされるほど感情を表に出さない彰子が見せた、意思表示。まひろは、内心驚きながらも「では、これまでのところを手短かにお話しいたします」と、ゆったり受け止めた。
さらに、まひろが一条天皇(塩野瑛久)もいる前で「中宮様にもお読みいただければ、この上なきほまれに存じます」と口にした場面では、彰子がそっとほほ笑む様子も。まひろは、「あらためて藤壺で、中宮様の御為に力を尽くしたい」「中宮様ともっとお話ししたいと存じました」と、彰子のそばで続きを書くことを決心したのだった。
藤壺に灯った“光”
第32回で安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)が死の間際、道長に「ようやく光を手に入れられましたなぁ。これで中宮様も盤石でございます」と語ったその“光”が、いよいよ藤壺に灯った。
まひろが一度目の出仕から里に戻る際にも、まひろに「私は、冬が好き。空の色も好き。私が好きなのは、青」と、そっと心のうちを見せていた彰子。胸に秘めている“帝に寄り添いたい、同じ物語を読んでみたい”、という気持ちが、まひろへの関心をさらに促したのだろう。