佐藤快磨監督 コメント
初見では「離婚」という文字に後ろ向きな印象を持ちましたが、誰かにとっては人生の分岐点となる明るい夜なのかもしれないと、原作を読み終えて思い改めました。
誰かを好きになると、それまで自分らしさだと思っていたものが剥がれはじめて、自分らしさがわからなくなることがあると思います。後悔することもたくさんあったりして。それでも恋をすることに向き合い続け、そこに新たな自分らしさを発見していく姿がいくつも描かれている作品だと感じています。
何よりも相手の気持ちを尊重しようとする伊織と香帆にとって、時に相手の心に立ち入らなければならない「恋愛」というものは、とても怖いものだと想像します。そんな2人が互いの行動や言動に一喜一憂しながら恋心を育てていく姿を、初めての感情を覚えたときの一瞬の表情の変化を、丁寧に拾い集めていけたらと思っています。
一方で、誰かと一緒に生きていくことと自分らしくあろうとすること、その矛盾したふたつを同時にかなえる難しさがこの作品には描かれていると感じました。難しすぎるんだから失敗は当たり前で、いつか恋愛と自分らしさの良いバランスを見つけるまでの渦中ということで、離婚も苦い初恋も前向きに捉え直せるのかもしれないなと。
そんな登場人物たちの心情が想像できるような、見えないはずのものが可視化されるようなシーンを、キャスト、スタッフ全員で意見を擦り合わせながら作っていきたいです。
主演・佐野さんは、クランクイン前に3度の読み合わせ、立ち稽古の時間を作ってくださり、とてもありがたかったです。佐野さんの柔らかなお人柄や、時折見せる真っすぐなまなざしは伊織にぴったりだと感じました。佐野さんにしか演じられない伊織を撮影を重ねる中で一緒に見つけていけたらと思います。
川和田恵真監督 コメント
今回、すてきなご縁をいただき、3話、6話、8話を監督させていただくこととなりました。原作を読み、伊織の純粋すぎるくらいの真っすぐさや、傷ついた香帆が揺れ動きながらも自己肯定感を獲得していく過程に心を打たれました。
伊織と香帆、少し不器用なところもあるふたりが、ピュアに関係を積み重ねていく時間や、互いを見つめるまなざしを繊細に捉えたいと思っています。今時、珍しいくらいのピュアなドラマになると思います。視聴者の皆さまにもぜひ楽しみに放送をお待ちいただければと思います!
多賀公英監督 コメント
4話、5話、7話の監督をさせていただきます。僕自身、ドラマ作品の監督をするのは初めてで、3人の監督で全10話を撮るという共同監督作業も初めての中、始めはドキドキしながら参加させていただきました。原作を読ませていただいたとき、それぞれのキャラクターの中に、人間の不器用さが描かれているなと思うと同時に、共感する部分もありました。
原作のキュンとするシーンや、ハラハラとする展開を佐藤監督と川和田監督と知恵を合わせ、素晴らしいキャスト、スタッフの方々と共に、見てくださる方が、伊織と香帆のとてつもなくピュアな恋の行方にドキドキしながら楽しんでいただけるドラマになるように頑張ります。