杉野遥亮の第一印象はミステリアスでクール、不破利己役に「ドンピシャ」
――反町隆史さんに飛鷹千寿役を、杉野遥亮さんに不破利己役をやってもらおうと思った経緯を教えてください。
武藤:わりと最初のころから「ダークヒーローものをやろう」という話があって、今の倫理観にとらわれずに事件を解決していくキャラクターに、誰がいいかという話になりました。反町さんの名前が上がったときに、僕は反町さんにそういうイメージがなかったので、すごくおもしろい掛け算になるんじゃないかと思いましたし、満場一致だったと思います。
反町さん演じる千寿のバディーには、ある意味正反対に見えるキャラクターを考えていました。そんななか、足立さんが若手の中で注目されている杉野さんの名前をあげてくれたんです。杉野さんに最初に会ったとき、ミステリアスでクールな印象を抱いたので、なんかドンピシャにはまる感じがしました。
僕の中では最初に反町さん演じる“千寿”というキャラクターがポンとあって、多分足立さんはそんな役柄の反町さんには杉野さんがいいと思うところがあったんだと思います。そこから“千寿”のバディーが杉野さんだったらどんなキャラクターがいいだろうと、“不破利己”というキャラクターがどんどんふくらんでいった感じだったと思います。
――足立さんが、反町さんの相手として杉野さんの名前を挙げたのはなぜですか。
足立:武藤さんもおっしゃってますが、“利己”は“千寿”とは対極なキャラクターにしようと考えていました。杉野さんの地のキャラクターというか、ドラマとかバラエティー番組で見て感じた表情や目線、ふと見せる素の部分や、実際お会いして話したときに感じたクールな部分も、最初考えていた“利己”のキャラクター像とすごく印象が合うと思ったんですよね。
――今回、反町隆史さんや杉野遥亮さんのほかにも、白石麻衣さんや観月ありささんなど多彩なキャストが集まりましたが、キャストのみなさんの魅力を引き出すために意識していることを教えてください。
武藤:これは、ある意味プロデューサーの無茶ぶりというか、足立さんがどんどん素晴らしいキャスティングをしてくれて、そのおかげで何度物語が変わっていったか…(苦笑)。こんなキャスティングされたら、この設定だけではやっていけないよ…という話を何度もしたんですが、足立さんにはうまくのせられましたね。
反町さんと杉野さんが中心というのは変わらないんですけど、その時々のキャラクター回で偶然を必然にするために、物語がどんどん深まった気がします。単発で作っていたものが全部繋がっていく感じで、その繋がりを考えた瞬間、この物語で伝えたいことが見えてきました。今となっては足立さんに感謝しています。
第2話までのラスト5分・10分がひっくり返って、徐々に世界観を侵食していく
――今回、警察の中に証拠をねつ造してまでも事件を解決しようとするチームがいるわけですが、その設定にはどんなこだわりがあるんですか。
武藤:これは第3話以降にわかるんですけど、1話完結のミステリーというところから、警察内の壮大な物語になっていきます。第1話と第2話は、意図的にオーソドックスな捜査ものにしていて、ラストの5分や10分に物語がすごく動くという展開にしました。
第3話からは、そのバランスが崩れ、物語がどんどん変容していきます。反町さん演じる千寿が、証拠をねつ造してまで実行している理由にも繋がっていきます。
今までのラストの5分や10分がひっくり返り「この物語、ちょっと違うかも」と思っていくうちに、徐々に世界観が侵食していくというか、これまでの謎が明らかになっていき、話がどんどん1本になっていくので見逃さないでほしいです。