宿主・勝と突然の別れ…衝撃の最終話
ところが、第12話で衝撃の展開が起こる。朝方、ロングボートと共に海へ出た勝が帰らぬ人となったのだ。主をなくした民宿“ダイヤモンド・ヘッド”に「CLOSED」の札がかけられた。広海と海都は、勝との思い出を語りながら、いよいよ自分たちの海を探す時がきたことに気づく。
真琴(広末涼子)は、ここにいられなくなることや、2人との別れが近付いたことを思うと寂しくて仕方がない。そんな時、春子が、“ダイヤモンド・ヘッド”を任せてほしいと、慶子(田中好子)に告げる。「でも、俺たちは、いつまでもここには残れない…」と広海と海都は、別れの時を迎えようとしていた。
“人生の夏休み”と称して、自由気ままかつ自分を見つめ直しながら仲間と共に過ごした場所での悲劇。広海と海都の心にもぽっかり穴が開いてしまった。いつも明るい広海もさすがに落ち込み、勝を思い号泣する。けれども、いつまでもクヨクヨしているのは“ダイヤモンド・ヘッド”には似合わないとばかりに、泣きながら笑顔を浮かべる2人のシーンには思わず視聴者の涙も誘う。広海が「社長(勝)ってばさ、2歳サバ読んでた、あの親父! 64歳と62歳じゃ変わんないっての、あははは」と笑い、海都も「ばかだよねー(笑)!でも、可愛いよな」と一緒に涙を流した。
たった数日間だけの間柄だったが、そこで過ごした者たちには強い絆が生まれた。「ビーチボーイズ」を見返したり振り返ったりしたとき、視聴者にも明るさとほんの少しの切なさが混じったような気持ちになるのは、絶妙にマッチしていた美男美女のキラキラしたキャスティングや、反町隆史 with Richie Samboraの主題歌「Forever」の晴れやかなメロディー、綺麗な海の映像の他に、登場人物の揺れ動く気持ちの部分もしっかり描いていたからだろう。27年が経過し、改めて視聴してみるとまた違った感想を抱くかもしれない。
フジテレビジョン