吉高由里子が主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合ほか)の最終回に当たる第48回が12月15日に放送された。描かれたのは、まひろ(吉高)と道長(柄本佑)の魂のつながり、そして道長の妻・倫子(黒木華)の葛藤と決断。美しきまひろと道長の絆が感動を呼ぶ中、その裏でプライドを踏みにじられながらも正妻として毅然とした態度を守り切った倫子にも注目が集まった。(以下、ネタバレがあります)
「殿に会ってやっておくれ」
「源氏物語」を生み出した平安時代の女流作家・紫式部の人生を描いてきた「光る君へ」。第48回「物語の先に」で描かれたのは、主人公・まひろではなくその生涯のソウルメイト・道長の臨終だった。
第47回のラスト、倫子に「それで…あなたと殿はいつからなの?」と静かに問われたまひろ。続く第48回でまひろは、幼い頃の出会いや、母の仇が道長の兄・道兼(玉置玲央)であったこと、道長と2人で直秀(毎熊克哉)の亡骸を埋めたことを打ち明けた。
まひろが自分よりも先に道長と出会い、想像を絶する絆で結ばれていたのだと悟った倫子。その場ではショックから目に涙をため「私たち、あなたの手のひらの上で転がされていたのかしら」と恨みごとも口にしたものの、彼女が私怨に左右される人物ではないことは、序盤からきちんと描かれてきている。最終回でも、命尽きようとしている夫・道長のため、後日改めてまひろを呼び出し「殿に会ってやっておくれ。どうか、殿の魂をつなぎとめておくれ」と、静かに頭を下げた。
倫子のプライドの上に成り立った最期の日々
道長が倫子を娶(めと)って以来、その後も続いてきたまひろと道長の関係について「倫子さまがいつ気づくのか」問題は長く視聴者をハラハラさせてきた。
若かりし頃、まひろが道長に送った漢詩の文に倫子が気づき、まひろに「これ、女の文字ですよね」と相談する…というきわどいシーン(第13回)もあったものの、修羅場には発展せず。第45回でまひろが道長に「これで終わりでございます」と自ら終止符を打つ場面が描かれたこともあり、倫子が2人の関係について問い詰めるような場面は最後まで描かれないのでは、と思った視聴者も少なくないだろう。