ミスターパーフェクト俳優・沢村一樹の心に刻まれているデビュー当時の言葉とは!?
週刊ザテレビジョン創刊35周年のメモリアルとして、本誌を彩ってきたテレビスターたちがテレビとの思い出を語るSPインタビュー企画を連載中。
第7回目には、時にルポライターとして殺人事件を、時に医者として病院の問題を解決し、さらには近年役柄の幅を広げている沢村一樹が登場。連続テレビ小説「ひよっこ」('17年NHK総合ほか)ではヒロインの父親で記憶喪失になるという難しい役を熱演し、放送中の金曜8時のドラマ「ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~」(テレビ東京系ほか)では、肩の力を抜いて“地元密着型の広告マン”を演じている。スマートなキャラのイケメンなのに、エロトークもこなす明るい人、というイメージが定着している沢村だが、現在の確固たる地位を築くまでには、人知れぬ苦悩があったという。
同級生とは違うスイッチがあると感じた学生時代
「僕は小さいころからテレビっ子で、ドリフ(ドリフターズの「8時だョ!全員集合」'69 ~'85 年TBS系)や欽ちゃん(萩本欽一)、当時鹿児島で放送していた松竹新喜劇の藤山寛美さんの作品などをよく見ていましたね。チャップリンなどの、古い映画も夢中で見ていましたが、それに関しては同級生の誰とも話が合わなくて(笑)。それで、自分には同級生と違うスイッチがあるんだろうなっていうのは、テレビを見ながら感じていました。当時の憧れのスターはブルース・リーやショーン・コネリー…日本人だと、石立鉄男さんや西田敏行さんも大好きでした。ちょっとコミカルなお芝居をするところがね。笑いのセンスで影響を受けたのは、明らかにダウンタウンさん。僕らの世代にはありがちでしょう? 20歳で東京に出てきてからですが、映画も食事も、気に入ったものは何回でも!っていう性分なので、ダウンタウンさんの番組は必ず録画して、週に40~50回は見ていたと思います。朝出かける前にあのコントだけ見ていこう、とか。20代は、そんな“ダウンタウン漬け”のテレビ生活を送っていましたね」
俳優を目指して上京後は、雑誌モデルとしてキャリアをスタート。20代の終わりに役者に転身、大ヒットドラマの続編「続・星の金貨」('96年日本テレビ系)でキーマンとなる大役をつかむ。
「完全な悪役でしたけどね。本当にひどい…まぁ、このころの演技、ホントにひどいんですよね。できれば抹消したいくらいです(笑)。たまに再放送を見てくれた友人から、ツッコミが入ったりすることも。僕も今見ると、よく20年以上もこの世界で生きてこられたな、逆にすごいな!って思います(笑)。自分では当時、芝居に関してはむしろできてると思っていたんですよ。ちょっとバカで良かったってことですね(笑)。小さいころからずっと役者になりたいと思っていたので、やりたい仕事をできている自分がすごくうれしかったんです」