
俳優の広瀬すずが「第17回TAMA映画賞」で最優秀女優賞を受賞し、11月15日に都内で開催された授賞式に登壇。受賞の喜びを語るとともに、出演映画の公開が相次いだ2025年を振り返った。
広瀬、最優秀女優賞受賞に「これからも精進してまいります」
同映画賞は、東京・多摩市および近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢を見せてくれる活力あふれる“いきのいい”作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から感謝を込めて表彰するもの。国内映画賞のトップバッターとしても注目を集めている。
広瀬は、2024年11月に公開された映画「アット・ザ・ベンチ」を皮切りに、本映画賞の対象期間中(2024年10月~2025年9月)に「遠い山なみの光」「ゆきてかへらぬ」「片思い世界」「宝島」と計5作品が公開。それぞれの作品で存在感を発揮し、最優秀女優賞を受賞した。
受賞の喜びを、広瀬は「すてきな賞を頂いて本当に光栄に思います。心の底から尊敬する監督や撮影スタッフ・キャストの皆さまと、こうして作品を作ることができて、このように評価していただけることは本当に励まされます。これからも精進してまいります。ありがとうございます」と、笑顔を見せた。
主演を務めた「遠い山なみの光」は、カズオ・イシグロの長編デビュー作を「ある男」(2022年)で第46回日本アカデミー賞最優秀作品賞を含む最多8部門受賞を果たした石川慶監督が映画化。終戦間もない長崎という、まだ過去にしきれない「傷跡」と、未来を夢見る圧倒的な「生」のパワーが渦巻いていた時代を生き抜いた女性たちの姿を鮮明に描き出すヒューマンミステリーとなっており、広瀬は終戦間もない長崎を舞台に、前向きに生きる主人公・悦子の若かりし頃を演じた。
同作の役作りを振り返り、広瀬は「悦子さんというキャラクターをつかむまでにとても時間がかかりました。とても覚悟のいる役だったなと。こういうふうに時代が進んでいく中で、(終戦後の)当時の女性を演じられるということは、すごく貴重な経験で勉強になりました」と、難しかったからこそ得るものも大きかったことを明かした。

広瀬、2025年は多彩なキャラクターを好演
同作以外にも作風が異なるさまざまな映画に多数出演してきたが、この1年間を振り返って広瀬は「今年は本当にたくさんの作品を皆さまに見せることができたなと思える年だったんですけど、現代の作品というよりは、時代物がすごく多かったなと。大正時代から戦後、現代と、本当にどの時代もとても深くて、なかなか手触りがないまま進むこともあったんですけど、役者人生でとても濃厚な年だったなと思います」と、達成感をにじませた。
なお、広瀬の他に「レイブンズ」「敵」「奇麗な、悪」「ゆきてかへらぬ」「国宝」「ふつうの子ども」「宝島」と、話題作への出演が続いた瀧内公美も最優秀女優賞を受賞。
新作舞台の初日上演と重なったため授賞式は欠席したが、瀧内は「一昨年、去年と素晴らしい映像作家の皆さんに恵まれて、多くの映画に携わることができました。今年は、6、7作品ぐらい映画が公開されたわけなんですけれども、1作品1作品すごく大切にしてきた作品ですので、賞を頂いてとってもうれしいですし、映画を表現活動の主軸として生きてきた私にとって受賞は非常に励みになります。これからも一つ一つ丁寧にやっていこうと思いますので、またスクリーンで皆さまとお会いできたら幸いです」と、VTRメッセージを寄せた。





































