
長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は『上田ちゃんネル』(テレビ朝日)をチョイス。
ジェネレーションギャップは究極の娯楽『上田ちゃんネル』
上田晋也、古坂大魔王、浜ロン、清水あいり、そしてエイトブリッジの二人が出演するバラエティ番組、『上田ちゃんネル』。元々はCSで長い人気を誇っており、2024年9月より地上波放送となった、電波をまたいだ長寿番組である。「誰と誰がタメ口」フェチである私としては、古坂大魔王と上田晋也のタメ口にキュン。
今回の企画は、『おじさんの当たり前を令和女子が知ってるかどうかクイズ』。モーニング娘。’25から岡村ほまれ、山崎愛生、櫻井梨央の3人が“二十歳世代”としてクイズに挑戦し、大先輩である保田圭がそれを見守るという構図。「誰と誰がタメ口」フェチは勿論、新旧モー娘。ファンも必見だ。
つまりジェネレーションギャップを楽しむ企画であるのだが、快感なんだよね、ジェネレーションギャップを味わうのって。自分にとっての当たり前を相手が知らなかったとき脳内で分泌される液体に名前ってついてる?私も、それなりに年齢を重ねて、すっかりあれの虜。この間、それこそ二十歳の若者と話していたら、中島美嘉を知らなくて腰を抜かした。『雪の華』すら聞いたことがないというのだ。尻もちをついたまま、私の脳内ではあの液体が分泌され続けていた。中島美嘉を、知らない?何それ!?そんなのありえんの!?
数年前まで、別にこうではなかったのだ。ただ、もう「若い」とは言われぬ年齢になってから、こうしたジェネレーションギャップに機嫌を良くするようになってしまった。何故なのだろう。もしかしたら、加齢への恐怖を薄める防衛反応なのだろうか。「自分が若い世代より優れている部分は、知っている芸能人の多さだけだ」という悲しい自覚が私には存在していて、その数少ない“加齢による優位”を精いっぱいに享受しようとしている?だとすればこんなに悲しい生き物もおるまいが、身体が若さに執着しているのは感覚によって間違いなく、この予測もほとんど間違ってはいないだろう。
オッサンからジェネレーションギャップをぶつけられる若者側のことも考えねばなるまい。番組内では、昭和・平成のカルチャーに特別詳しい櫻井梨央の横で、ほとんど答えられない岡村ほまれ、山崎愛生のふたりが、上田晋也から「何も知らねえな」的なイジリをずっと受けていて、ちょっとかわいそうだった。私も中島美嘉を知らなかった若者のことを散々イジリまくったが、これはハラスメントになりかねないというか、客観的に見ればハラスメントである。気を付けよう。
※山崎愛生の「崎」正式には「たつさき」
■文/城戸
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。




































