“ながら視聴”ができない!「anone」脚本家・坂元裕二の支持される6つの理由
サスペンス要素
「Mother」では少女誘拐を描いたように、人間ドラマに犯罪を絡めることの多い坂元作品。「anone」ではニセ札が物語を動かす。「5、6年前から『ニセ札のドラマってないよね』と坂元さんと話をしていたんです。『田中裕子さんの演じる女性が夫とともにニセ札を作り、自動販売機に偽の千円札を入れて飲み物が出てくるシーンを見たいよね』って、最初の発想はその場面だけでした。ニセ札の意味するところは『うそから出た実(まこと)』ってことでしょうね。みんなが本物だと思っていることも偽物かもしれない。そういううそがちりばめられていると警戒しながら見てください」(次屋P)
本能で生きる女性たち
「Mother」のキャッチコピーが「母性は女性を狂わせる。」だったように、坂元は母としての女性を描き続けてきた。「本能で比べると男はどうしたって女にかなわないという考えが僕にはあって、恐らく坂元さんにも…。『Mother』で奈緒(松雪泰子)が少女を誘拐したいと思うのも、ある意味、非常に自己中心的。でも、同時に“いたいけな者”を慈しみたいという女性の本能であり、それは女性の持っている母性なんでしょうね。その点、ハリカは親を亡くした少女で、亜乃音は母親になれなかった女性。『anone』は何かが欠落している人の集まりなんです」(次屋P)
水田伸生監督とのコンビ
「Mother」、「Woman」(2013年日本テレビ系)に続き、坂元脚本の連続ドラマを演出する水田伸生監督。「水田監督は坂元さんの台本だからこそ、一言一句、忠実に映像化しています。逆に水田さんから坂元さんに提案することもあって、例えば第1話で出てきた風車は、水田さんがロケハンで探してきた場所を坂元さんが台本に書いたもの。『Mother』にも風車が出てきましたね。2人には共有している世界観があって、坂元さんは『こう書けば、水田さんはこう作ってくれるだろう』と思っているでしょうね。水田組に寄せる信頼は強いと思います」(次屋P)