「コード・ブルー」比嘉愛未『痛み乗り越えて、“鉄の女”から人間らしくなった』
鉄の女が、映画では笑顔を見せるまで成長した
――1stシーズンから10年という月日が経ちましたが、役柄として、またご自身として成長を感じられた部分はありますか?
自分自身の成長は…本当に分からないですね。多分、基本変わっていないと思います。沖縄の風がそのまま流れてるってよく言われるんですけど(笑)。成長って、他の人が見て感じることだと思っていて。
そういう意味では、私が演じている冴島は確実に大きく変わりました。人間として最初は鉄の女でした。プライドも高くて、強く生きるっていう女性だったけど、実はプライベートで、彼との別れだったり、いろいろな葛藤や苦しみを抱えていて、それがあったからこそ、痛みを経験して乗り越えて、周りにも支えられて、人間らしくなれたんじゃないかな。
それは、映画を見てすごく感じましたね。今まで笑顔もあまり見せなかった冴島が、映画では普通に笑っていたし、悲しいときは悲しさを出したり、喜怒哀楽がすごくはっきりしていて、私はそれを見ているだけで愛おしく感じましたね。これまで大変なことがあったからこそ、これからもっともっと幸せになれるはずだと思って。だからそういう冴島をみて思ったのは、私はもっと苦労して色々乗り越えなきゃ成長しないのかなって。でも“なんくるないさ”の気持ちを忘れずに、肩の力を抜いて、もっと大人になれたらなって思います。
――あらためて、この10年間を振り返っていかがですか?
初めて参加したときは20代前半とかで、何も分からずがむしゃらにお芝居をしていました。でもオンエアが始まって自分の予想を超える反響があって、1st、2nd、3rdと続けていくにつれて、どんどん演じてた冴島が役じゃなくて、見る方たちが本当に生きてる人と感じてくださり、影響受けて看護師になりましたと言ってくださる方に実際たくさんお会いしました。
そんな方たちにとっては、(ドラマの人物が)架空の人物じゃないんだって思ったとき、特に1stのときに役を演じる責任を一番感じました。だからたくさん、つらい思いもしたし、苦しかったし、でもそれと同じように楽しい、幸せな瞬間もありました。だからこそ他の作品に出演していても、「コード・ブルー」をたまに見返して、「原点に戻ろう」と振り返っていたりしました。