玉山鉄二が、大河ドラマ「西郷どん」(夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)で維新三英傑の一人、長州藩士の桂小五郎を演じている。
下級武士から革命児へと覚醒する、同作の主人公・西郷吉之助(鈴木亮平)。桂は、そんな吉之助を同士と認めながらも、「禁門の変」で薩摩に長州が撃たれたことで、溝を深めてしまう複雑な役柄だ。
劇中で、いよいよ8月26日(日)に描かれる「薩長同盟」を前に、玉山にインタビューを行い、役に対する思いや、撮影現場の雰囲気などを聞いた。
面白い登場の仕方だなと思います
――桂小五郎にはどのようなイメージがありましたか?
名前は知っていましたが、何を成し遂げた人物かという詳しい部分までは分かりませんでした。ただ、以前「八重の桜」(2013年、NHK総合ほか)で、会津藩の山川大蔵を演じていたので、長州と会津が意識し合っている関係性だということは分かっていました。
桂は、変装して“ヒー様(一橋慶喜、松田翔太)”に会うシーンなどもあり、面白い登場の仕方だなと思います。
――主人公の吉之助と対するシーンは、どのような思いで演じていますか?
吉之助には、薩摩に対する憎しみや、恨みをぶつけることを意識していました。
吉之助はすごく懐が深くて受けることがうまいんですよね。
桂は、時々自分の決めたことが「本当は間違っているんじゃないだろうか」と心が揺れてしまう瞬間があるんです。そんな時には、桂が吉之助に対してすがるような気持ちを表現するようにしています。
敵対して常に張り合っているということだけではなく、そういった揺らぎの部分で演技に深みを出していければいいなと思っています。
――変装することが多いと思いますが、その中でも印象的なシーンはどこでしょうか?
岩倉(笑福亭鶴瓶)の家で開かれている賭場で、物乞いの扮装をした桂がいて、そこに吉之助と大久保(瑛太)も入ってくるっていうシーンです。
その賭場にいる人間たちのすごさというか、「この人たちが日本を大きく変えていくというんだ」ということに身震いがしました。
――岩倉を演じている鶴瓶さんの印象はいかがですか?
鶴瓶さんがいると、現場がすごく和やかになるんです。
スタッフも疲れているのに必死で頑張っている中で、鶴瓶さんが来られるとその疲れが取れるような気がします。
差し入れもたくさんしてくださり、本当に人が好きなんだなと感じます。
僕は人見知りで、群れたりすることを怖がってしまうので、鶴瓶さんと過ごしていると、人としてあるべき姿を見せていただいているような感じがして勉強になります。
――鶴瓶さんと同じシーンでのエピソードなどはありますか?
鶴瓶さんは、メガネを外してお芝居されているんですけど、賭場のシーンで僕に言わなきゃいけないセリフを違う人にずっと言ってたことがあって…「暗いし、風呂敷被ってるから分からんがな!」って言ってて面白かったです(笑)。