沢尻エリカ、大金持ちになったら「お札じゃなくて金の延べ棒とかに替えておく」
借金返済に追われる中、宝くじで3億円を当てた一男(佐藤健)が、親友の九十九(高橋一生)にその3億円を持ち逃げされ、九十九を捜す過程でお金について考えていく姿を描く映画「億男」。高橋一生演じる九十九と共に会社「バイカム」を起業して億万長者となった仲間を演じたのが、沢尻エリカ、北村一輝、藤原竜也の3人。今回、その「バイカム」のメンバーを演じた4人が集まった。
九十九をはじめ、一男が彼のことを聞くために会っていく十和子(沢尻)、百瀬(北村)、千住(藤原)の3人は、クセの強い人物ばかり。演じる彼らは、自身のキャラクターをどのように捉えていたのか?
高橋「僕は、どこか九十九って一男の半身だと思っていて。鏡合わせみたいなところがあるので、劇中でも言われていた“99(九十九)と1(一男)で100”というのを意識して演じていました」
沢尻「十和子は一見すると普通の主婦なんですけど…。本当は『バイカム』の時代にすごく夢を持っていて、それが忘れられずにいて、そういうよかったころを思い出したいからお金を身近に置いているのかなと思うんです。『バイカム』にいた時が一番輝いていたと思っていて、それをずっと引きずっている女性なのかなと思いますね」
藤原「北村さんは、(メークも含めて)一番大変だったんじゃない?」
北村「そうだね。メーキャップに時間が掛かるから、現場の入り時間も(撮影開始の)2時間前で(笑)。朝すごく早起きして、デブスーツを先に着て、寝ぼけている状態でひげをつけられて」
高橋「口にも何か入れてます?」
北村「綿を入れてます。あのビジュアルは、衣装合わせの段階でデブスーツとカツラが用意されていて。多分、監督の中ですでにビジョンがあったと思う。あとは大阪弁でスピーディーにまくし立てるようにと言われました。多分、九十九以外の3人は、実は『バイカム』の時代が一番よくて、どこかで傷を背負っている中で一生懸命やっているけど、どこかうまくいっていない。それを会いに来た一男に伝えることが大事なので、早口の中にもちゃんと伝えられるよう意識しました」
藤原「僕も北村さん同様、撮影前から衣装やメークチームが準備をしていてくれていて。撮影に入って表現するだけでいいということで、すごく楽をさせてもらったというか。余計なことを考えずに表現するだけでよかったから、優秀なスタッフに助けられていましたね」
4人は「バイカム」を売却後、それぞれ億の金を手にして別々の道を生きているが、その選択は彼らにどう映ったのか?
高橋「考え得る一つの答えだから、あの生き方が正しいとか間違っているというのはないんです。その状況に置かれたら、そうなるかもしれないというモデルケースでもあるわけで、僕はどの選択にも共感します」
北村「そうそう。同じだね。使い方は人それぞれだし、その状況に置かれないと分からない。この作品は、大金を手にして浮き足立つ前に、“自分が何を必要としているのか”ということに気付けば、ちゃんと地に足をつけていけるという話かも知れないし」
沢尻「そうですね」
藤原「僕もそう思いますね。その人の人生ですからね」
沢尻「ただ、私は撮影中にずっと気になっていたことがあって…。十和子はお札を身近に置いているんですけど、火事になっちゃったらどうするんだろうって(笑)。私だったら、お札じゃなくて金の延べ棒とかに替えておくのに」
藤原「正しいですね、それは(笑)」
高橋「金なら溶けることはあっても燃えないですもんね(笑)」