高橋一生、モロッコで買い物「マネジャーにも知らせずこっそり行って船便で送りました」
佐藤健と高橋一生が共演し、川村元気の小説を映画化した「億男」。主人公・一男(佐藤)の3億円を持ち逃げする親友・九十九を演じた高橋は、映画の出演オファーが来る以前に原作を読んでいたという。
高橋一生「原作を読んだときに、物語の紡ぎ方として、単純に起承転結があって進んでいくのではなく、パウロ・コエーリョの『アルケミスト 夢を旅した少年』のように、一周回って元のところに戻っていくような感じがしたんです。しかも、最初とは決定的に違う何かがあるというのがすばらしく、僕の好きな作りの物語だったので、この作品をやらせていただけるのは、とてもありがたいことだと思いました」
九十九は一男の大学時代の親友であり、大学を中退して起業した新会社「バイカム」で大成功を収めた億万長者。しかし、彼には複雑な過去があり…。
高橋「九十九は絶対的な孤独を一度味わっていると思うんです。そこから彼がどう立ち直っていくのかを一男くんに委ねるあたりは、とてもステキな人間だと思いました。というのも、結局のところ九十九と一男は同じ旅をしているんだと思うんです。けれど、九十九の旅は詳しく描かれていないので、そこに隠されているものを想像しないといけなくて。それを埋めていく作業はとても楽しいものでした」
一男の3億円を持ち逃げしてしまうのもしかり、善人なのか、悪人なのかも分からないミステリアスな存在として描かれる九十九。感情があまり表に出ないのに加え、吃音も彼の個性となっている。
高橋「実際に吃音の方にお会いして、いろいろお話をさせていただきました。その方は吃音の研究者でもあって。その方がおっしゃるには、そもそも吃音というのは、人とコミュニケーションを取るときに、1度クッションを置くための作業らしいんです。それは人に対するアプローチとしてとても自然なことだと思ったし、そこに優しさがあるなと感じました」