高橋一生、モロッコで買い物「マネジャーにも知らせずこっそり行って船便で送りました」
九十九にとって一男は特別な存在
大学時代、落語研究会で意気投合したことから始まった九十九と一男の友情。宝くじで3億円が当たって動揺する一男が頼ったのも九十九だったが、高橋自身は彼らの関係をどう感じているのだろうか。
高橋「僕の中では親友って、ある絶対的な距離感があると思っているんです。あまり近付き過ぎてしまうと相手に対する遠慮がなくなってしまう。ある程度の距離感が保てていないと親友という関係は成立しないのではないかと。たぶん九十九と一男もそれを分かっていたからこそ、再会するまでにこれだけ時間が空いたんだと思います。ただ、どれだけ時間が空いても会えばすぐに距離が縮まるのが親友。九十九にとっても一男は特別な存在だったんだと思います」
さらに、九十九と一緒に会社「バイカム」を立ち上げたメンバーも強烈なキャラクターばかり。その3人の億万長者を沢尻エリカ、北村一輝、藤原竜也が演じている。
高橋「3人の存在は、ある意味、『クリスマス・キャロル』のようだと思います。3人のゴーストがいて、そんな彼らに会っていくことで、一男のお金に対する価値観が揺るがされていく。僕自身は3人のそれぞれの考え方に対して肯定も否定もしませんが、演じてらっしゃるみなさんはものすごいインパクトでした(笑)」
監督の大友啓史とタッグを組むのは、映画「3月のライオン」(2017年)に続いて2度目。監督に対しては絶大な信頼を寄せているという。
高橋「大友さんは大好きな監督です。『3月のライオン』のときに、もっと大友監督にお芝居を見ていてもらいたいと思ったので、その願いは早くも叶いました(笑)。大友さんはテイクを重ねるときにも『今のすごくよかった。すごくよかったから、もう一度やらせてください』とおっしゃるんです。そういう言い方をしてくださる方って、あまりいないんです。大友監督にそう言われると僕も調子に乗ってしまうし(笑)、何回でもやりたいと思ってしまう。今回は特に何度も繰り返していくうちに、いろんなものがそぎ落とされていく感覚があって。何度やっても鮮度が落ちないんです。それはとても稀有な現場だったと思うし、それを体験させていただけたのは、とてもありがたかったです」