鈴木亮平、“魂の帰る場所”鹿児島で心境語る「西郷さんの苦しみが受け止められなくなったことも」
12月16日に放送された大河ドラマ「西郷どん」(※再放送は12月22日[土]昼1:05-2:05ほか、NHK総合ほか)最終回のパブリックビューイングが鹿児島市民文化ホールで行われ、主人公・西郷隆盛役の鈴木亮平、村田新八役の堀井新太、辺見十太郎役の持永雄恵が登壇した。
西郷のふるさとである鹿児島の地に“戻ってきた”鈴木は、「雨が降っちょりますな。じゃっどん、鹿児島では『島津雨』と言われ、吉兆の雨。縁起のいい雨の中でみなさんと見れるのが楽しみです」と薩摩ことばであいさつし、来場した2000名の観客を盛り上げた。
イベントは、出演者たちが好きなシーンを語るトークコーナーからスタート。
鈴木は、第2回の「ふき(高梨臨)が借金の返済で連れていかれるシーン」を挙げる。同シーンは、吉之助(西郷隆盛の青年期の名前)を演じる上での原点になったそうで、「泣いちゃいますね。このシーン以降自分の無力さと戦っているんです。あのシーンを糸(黒木華)さんが見ているのも、後々結婚するときの契機になっていると思います。『女の子1人救えない“やっせんぼ”じゃ』というせりふを独り言のようにつぶやく演技を考えていたら、監督から『叫んだら?』と言われたので、叫んだんです。ここで、自分の中で吉之助像が定まっていったと思います」と明かした。
その後は、堀井がアコーディオンを演奏する一幕も。劇中で新八がアコーディオンを奏でるシーンの撮影のため、練習を重ねたという堀井は、「今日、披露するのは、村田新八が西郷ら同志に向けて贈った曲です。昨日新八のお墓にも行って、実際に弾いてきました。あるのはお墓だけでしたが、新八もジーンときて微笑んでいるように感じました」と語った。
最終回で描かれたのは、壮絶なれども明るい“最期”
終演後、鈴木は「全国の皆さんに見てもらいたい思いで演じてましたが、一番は鹿児島の人が見てもらって、誇りを感じてもらえる、“平成最後”の大河ドラマにしたいと思っていました。今日、鹿児島の皆さんと最終回を見させていただき、先にDVDで最終回を見ていた時とは違う感動が湧いてきていろんなことを思いました」と感想を。
そして、観客とともに鑑賞した最終回について「吉之助が一蔵(瑛太演じる大久保利通の青年期の名前)に、『異国に負けん強い国を作ってくれ』と頼んだことが、こんなにも彼を追い詰めてしまったのかなど、今まででのことがフラッシュバックしている回でした」とコメント。
さらに、1年3カ月に及んだ撮影の中での心境を、「いろんなことがありました。特に後半、人のために生きていた吉之助が戦を起こし、日本中の人を死に追いやるなど、西郷さんの背負った苦しみを受け止めようとして自分でも受け止められなくなったりもしました」と振り返る。
しかし、「鹿児島に来て、皆さんの顔を見て、皆さんからの温かい声援や歓迎を受けて、やっぱり自分は生きていこう、西郷さんの人生を背負っていこうと思わされました」と笑顔に。
最後には、「たくさんのお手紙も鹿児島の人からいただきました。僕の“魂の帰る場所”の1つになったと思っています。今日、皆さんと一緒に最終回を迎えられてよかったです。この後、『西郷どん』というドラマが少しでもみなさんの心に残ればいいと思っています。ありがとうございました」と鹿児島の人々に感謝を述べた。