1月6日にスタートした大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)で、「天狗倶楽部」が気になった人は多いのではないだろうか?
1912年に日本が初めて参加したオリンピックに出場した金栗四三(中村勘九郎)、1964年の東京オリンピックを成功に導いた田畑政治(阿部サダヲ)という2人の主人公を通し、日本とオリンピックの歴史を描く本作。
時代も場所も移り変わる“壮大なプロローグ”のような構成になっていた初回放送には、数多くのキャラクターが登場。しかしその中でも、野球ボールを追いかけてガーデンパーティーに乱入し、大きな掛け声と共に踊りを披露するなど、ひときわ異彩を放ったのが、三島弥彦(生田斗真)らが所属する「天狗倶楽部」の面々だ。
“濃いキャラクター”ゆえに、一見すると「本当にいたの?」と思ってしまうが、作家の押川春浪が中心となり結成された日本最初のスポーツ同好会「天狗倶楽部」は、実在した団体。そんな「天狗倶楽部」に所属する吉岡信敬を演じる満島真之介と、中沢臨川を演じる近藤公園、そして押川を演じる武井壮が鼎談(ていだん)し、役柄について語った。
――演じる役柄を聞いたときには、どのように思いましたか?
満島:「天狗倶楽部」の中でも、応援というものがまだ日本に浸透していない時代に、全国のあらゆる大会で応援をして回った“ヤジ将軍”と呼ばれた名物男・吉岡は、生涯で一番ハマり役かもしれないと思っております。
「エネルギッシュに演じたい」と考えていたら、「天狗倶楽部」にはこの二人の先輩たちもいるので、「大丈夫!」と思いました。
武井:どう大丈夫か分からないですけど(笑)。
満島:体でぶつかっても、芝居でぶつかっても受け止めてくれるじゃないですか。
武井:(笑)。そうですね。僕も「天狗倶楽部」での撮影は、「大河でこんなに楽しんでいいの?」と思ってしまうくらいに楽しんでおります。
近藤:僕は、同じ「大人計画」に所属している宮藤(官九郎)さん脚本のドラマに出させてもらうのも、大河ドラマも初めてなので、出演が決まったときにはダブルで念願叶ったなとうれしかったです。
しかも、この「天狗倶楽部」の一員という自由度が高くてはっちゃけている役柄で演じさせていただけて、僕も本当に楽しいです。
遊びの多い脚本の中でも、「天狗倶楽部」が出てきたときは、“グルーヴ感”みたいなものがあると思うんです。その“うねり”で、物語を動かしていくような役柄なのかなと思っています。
――武井さんは、陸上のアスリートとしても活躍されていますが、本作への出演が決まったときにはどのように感じたんでしょうか。
武井:アスリートとして10代から活動してきて、39歳で芸能界デビューをしたのは、自分の名前を多くの人に知っていただくことで、スポーツをより広い人たちに楽しい形でお届けできたらと思ったからだったんです。
だから、2020年の東京オリンピックの前年の大河ドラマに、しかも題材は“オリンピック”という最高のドラマに呼んでいただけて、至極光栄なことだと思いました。
僕は俳優業をやっていたわけではなかったので、日本最初のスポーツ同好会のリーダー・押川春浪という、こんなにいい役をいただけるとも思っていなくて、収録のたびに本当に運命的だと感動しています。
脚本を読んだ瞬間に、「本当にこの役を俺がやっていいのか?」と思うほどに喜びがありました。
近藤:本当に押川がしゃべってるみたいですね(笑)。
満島:そのまんま演じて大丈夫だと思いますよ! 押川が、作家さんっていうのもまた面白いですよね。
武井:押川春浪は、文化とスポーツを両方愛していた人物ですからね。武井壮を半分出しながらも、押川春浪を憑依させて演じさせていただいているような感覚です。
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