「いだてん」隈取で登場する主人公、暑苦しい“天狗倶楽部”…盛りだくさんの初回はどうやって?
盛りだくさんの第1回はどうやって作られた?
――第1回にはいろんな要素が詰まっていましたが、意識したのはどのような点でしたか?
第1話の台本は、宮藤さんとプロデューサー陣で0話みたいな感じで作ってきたという経緯があります。
いろんなものがミックスされていて、みんながまだ見たことのない映像や、キャストの豪華さみたいなことを、これでもかとかひけらかしたいと思ったので頑張ってみたんです(笑)。
ただ、ものすごく複雑な構成ですし、たくさんの歴史的には無名な人物たちが出てくるので、どうやって、今の人たちに共感しながら見てもらえるかという、工夫を考えましたね。
現代と当時の人たちの気分をうまくつなげるように、資料映像を使ったりしました。
例えば「天狗倶楽部」の登場シーンとかでは、「いるわけないじゃんこんな人たち」っていうツッコミをわざと入れて、その後に「ちゃんといたんです」っていう当時の映像を入れています。
これは、映像の残っている近現代を取り扱う作品だからこそできることなので、随所に入れてます。
――三島弥彦(生田斗真)らが所属してる「天狗倶楽部」は、初回の放送後かなり話題になってましたね。
天狗倶楽部は、今でいう“サークル”ですよね。スポーツって、ああやって誰かを応援するような人たちがいないと成り立たないじゃないですか。
吉岡信敬(満島真之介)は、日本で初めて応援団長になった人だったり、ふざけているようにも見えますけど、実はああいう活気のある人たちが物事を作ってきたんですよね。
天狗倶楽部の振り付けにも工夫があって、応援のように見えなきゃいけないけど、現代の応援団みたいに見えるのも粋じゃないなとか。
「てんてんぐー!」っていう天狗コールは、今後もまた出てくると思うんで、ちゃんと画として持つようにしなきゃとか、何度か練習してもらいました。
天狗倶楽部の人たちは、エキストラも含めてみんなで焼き肉食べに行っているらしいですよ。それを吉岡役の満島(真之介)くんは「天狗会」って呼んでました。
――皆さんは撮影現場でも暑苦しいんですか…?
暑苦しいです!(笑)
「なるべく暑苦しく、痛快にやりたい」っていうのが本当に最初からのテーマだったので、それを表現するのに、天狗倶楽部たちでガンっと(熱が)上がってくれないとやだなぁと思ってて。現代だったら、痛い人っていうくらい、「みんながちょっと引くぐらいやってください」っていうのをお願いしました。
結構あれやるの恥ずかしいと思うんですよ。裸にもなるし。でもいき切って演じてもらってます。