<試写室>「東京独身男子」やっぱり“独身ってサイッコー!”なのかも
主観丸出しのレビュー
「こんなにイケメンでハイスペックなのに独身なわけないじゃ~ん!w」的な反響も恐らく情報解禁時などにはあったかと思うが、開始数分でそんなくだらないことをつぶやいた人も後悔するんじゃないか、ってくらい、この独身男たちは次元が違い過ぎて逆に“草生えた”わ。
イケメン・高収入だけど性格や言動に難があってモテない独身男(女)たちの話…だったらまあ割と“あるある”だが、この3人はモテないわけではないし、女性に消極的なわけでもない。そこが興味深いところ。
本当に独身を謳歌している、という言葉がしっくりくる。
脚本は、2018年には「中学聖日記」の“禁断の恋”で大反響を呼んだ金子ありさ。ヒリヒリ系の作品も書くが、もちろんラブコメもお手の物で、「俺はATMか!」とか「妙に揺れる相槌」とか、せりふや言い回しがいちいち絶妙だ。
このご時世、リアルで言ったらコンプライアンス的にはグレーかもしれないけど「結婚は女に自由を与え、男から自由を奪う」って、独身男子のバイブルに載せたいくらいの名言かもしれない。
さておき、3人のキャラについて。まず太郎はイケメン・メガバンク勤務で1人で何でもできるというフィルターを除けば、個人的にはとても共感できるキャラ。
スカしているわけじゃないけど、人混みは疲れるし、大人の“盛り場”でイエーイなノリはしたくないし、自分に近づくあざとかわいい女子には懐疑的、でも人脈は大事。そして、元カノに心揺さぶられる感じ…非常に共感できる。
キーボードを軽やかにタッチし、パスタを華麗にファッサーする姿は、ハイスペックイケメンそのものだけど、不思議と好感しかない。
そんな太郎を演じる一生さんは、2018年の某主演ドラマもそうだったけど、イケメンなのにやや変わり者なキャラを演じることが多い。
いつまでたってもいい意味でピュアな顔立ちだからか? 絶妙に残念なこじらせイケメンが似合う。
このドラマでも彼のそんなこじらせた感じの演技がいかんなく発揮されているし、「太郎ちゃん」って呼び名が似合い過ぎて、本名も太郎ちゃんだっけ?って思ったほど。
それでいて主題歌のあの歌声だ。魅力が大渋滞していて女性だけでなく男性も心を鷲づかみにされるわ。