山崎豊子の傑作小説を原作に、大阪の大病院で繰り広げられる壮絶な権力争いを描いた岡田准一主演の5夜連続ドラマスペシャル「白い巨塔」(5月26日[日]夜9:00-11:10、テレビ朝日系)。
原作の刊行から50年たった今、物語の設定を2019年に置き換え、岡田演じる浪速大学医学部第一外科・准教授の財前五郎が、悲願である“教授の座”を目指してなりふり構わず邁進していく姿を映し出す。
ザテレビジョンWEBでは、同ドラマの出演者によるリレーインタビュー連載を実施中。本リレー連載のラストは、開局45周年記念ドラマスペシャル「砦なき者」、50周年―「警官の血」、55周年―「黒澤明ドラマスペシャル 野良犬」と同局の記念ドラマを手掛け、本作でも引き続きメガホンをとった鶴橋康夫監督のインタビューをお届け!
鶴橋監督に、俳優・岡田准一の印象をはじめ、作品への思いや撮影エピソードなどをたっぷり語ってもらった。
岡田准一は「”役柄”を転がすタイプ」
――今回のドラマ化にあたり、意識したことや工夫したことなどはありますか?
昭和40年に刊行された小説を、現代に置き換えるということで、当時の医療技術とは全く違うので、脚本家にあたり厳しいものがありました。第一夜の冒頭では、「AIが発達すると、医者も薬剤師もいらなくなる。そういう時代に来ている。だが、医者が通訳として人々に寄り添ってもらわないと困る」ということを描いています。そして、第二夜では、中国による“爆買い”が、日本の医療技術を目当てにして来ているというテーマを。
どれだけ役者さんたちを自分がいとおしんで撮れるか、ということを意識しました。
――岡田さんとは初タッグということですが、印象を教えてください。
初めて会ったときは、じっと固まって、僕をにらんでいるような目つきをしていました。そこでまず「これはただ者ではないぞ」と思いましたね。一目ぼれというか。彼は、一生懸命“役柄”を転がすタイプの役者で、ワンカット終わるたびに「大丈夫ですか」と聞くんです。
自分の芝居について、逐一確認するんです。彼には演出家の才能もあって、どんな芝居でも、3パターンくらいは考えてきているんです。