監督から『もっと行け!』と言われて
――ラブシーンでは監督が身振り手振りを交えて演出したという話を聞きました。
それは本当の話です(笑)。岡田さんとは今回が初共演だったんですけど「初めまして」のあいさつの後すぐにキスシーンでしたから。
――いきなり「ブチュー!」だったんですね(笑)。
そうなんです(笑)。緊張するし、私は人見知りな性格なのでどうしようかなと思いながら最初は軽めに行ったら、監督から「もっと行け!」って言われて(笑)。
岡田さんが「任せてください」って引っ張ってくださったので、楽しくできたんじゃないかなと思います。ある意味、最初からそういうシーンを撮ったので、自然と打ち解けることができました。
――沢尻さんから見て財前という男の生き方はどんなふうに映りましたか?
信念を持って何かに向かって行く姿はかっこいいと思いますけど、どんどん人間が変わっていくというところにもどかしさを感じたりもします。ケイ子も、ひたむきに生きていたころの五郎ちゃんのことが好きだったと思うので。
――財前の変化は周囲の人間に大きな影響を与えているということですよね。
いろいろな争いの中で葛藤することも多かったと思いますけど、そこまで追い詰められるものなのかと。五郎ちゃんの変化にはすごく“闇”を感じました。ケイ子としては元の五郎ちゃんのままでいてほしかったんだろうなと思います。