MONGOL800・キヨサク、音楽は「聴いた人の分だけのストーリーが生まれる」
『ロミオとジュリエット』的なイメージ
――劇中では、「小さな恋のうた」のほかにも、「DON'T WORRY BE HAPPY」「あなたに」「SAYONARA DOLL」の全4曲が披露されています。
この4曲のチョイスに関しては自分が関わっているわけではなく、制作人と企画スタッフたちが決めてくれたんですけど、「SAYONARA DOLL」が選曲されたのはちょっとびっくりしたんですよね。どうやってあの曲と映像をミックスさせるんだろうな? って。
――実際、キヨサクさんが「SAYONARA DOLL」を書くキッカケはどんなものだったのですか?
基地の中のお土産屋さんに売っている人形があるんですけど、その人形に“SAYONARA DOLL”っていう名前が付いていたんです。そのネーミングセンスに一発で感動してしまって。基地で働いていた人が本国に帰るときに、沖縄の思い出として買うものなのか、一つの記念というか、基地の中で暮らしていた人たちの背景を思い浮かべたりしたんです。
自分が歌詞にした内容としては、『ロミオとジュリエット』的なイメージをそこに入れたんです。戦時中に米兵と恋に落ちたかもしれないなぁとか。許されない恋というか。やっぱり「SAYONARA DOLL」は、沖縄にいるからこそ出来た曲だったとは思いますね。
――映画の中にも、亮多の親友・慎司(眞栄田郷敦)と、米軍基地に住む少女・リサ(トミコクレア)とのフェンス越しのやり取りが出て来ました。
そう。実際に、那覇からすごく近い場所ではあるんですけど、那覇ではあまり感じない空気感ではあります。あの近くは、文化が違うと感じると思います。実際に暮らしている人じゃないと感じられないものはあると思いますね。
でも、映画の描写は、今の子たちが過ごしている環境とほぼそのままと言ってもいいです。ほぼほぼ脚色なしですね。切り取り方としては。
映画「小さな恋のうた」
公開中
配給=東映
出演=佐野勇斗、森永悠希、山田杏奈、眞栄田郷敦、鈴木仁、トミコクレア、世良公則ほか