<いだてん>杉咲花、中村勘九郎の役作りに感動「四三さんと一緒にいると、嘘がつけなくなります」
大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)で、主人公・金栗四三(中村勘九郎)が女子スポーツの発展に走り出した。
敗戦国となったベルリンで、女性たちが力強くスポーツを楽しむ姿に大きな感銘を受けた四三は、女子の体育教育に奮闘。
そんな展開の中でカギを握る女性であるシマを、杉咲花が演じている。
元は、四三と共に1912年のストックホルムオリンピックに出場した三島弥彦(生田斗真)のいる三島家の女中だったシマ。しかし、四三と弥彦に影響され、自身もスポーツの道を志す。
四三とシマは、東京府立第二高等女学校に教師として務め、生徒たちに体育を指導していくように。
今回は、そんな女性スポーツの先駆けであるシマを演じる杉咲にインタビューを行い、この役とどのように向き合ったのか聞いた。
「シマってこういうキャラクターでいいんだ」と思えました
――役作りはどのようにしていきましたか?
一番大きなキッカケになったのは、クランクインのシーンで、三島邸のお庭で天狗倶楽部が「T!N!G!」をやって、嘉納(役所広司)さんに水がかかってしまうところです。
その場でキャラクターが掴めたような気がします。
撮影中に、監督に「もっと自由にやっていいですよ」と言ってもらえたので、アドリブで天狗倶楽部の動きをまねしてみたりしました。
そのシーンが、本当に使われていて、ちょっとわんぱくというか、「シマってこういうキャラクターでいいんだ」と思えました。
――シマの魅力はどんな部分だと思いますか?
人の気持ちを考えられるからこそ、相手のことを思いやるところ、自分よりも相手に気を取られてしまうところが、不器用だけどとても素敵だなと思います。
――女性スポーツの道に突き進んでいったシマの原動力はなんだったと思いますか?
シマ自身、すごく力強い人だと思います。
若いころから、両親のもとではなくて、弥彦さんのところで女中として働いていたので、一人で生きていくことの力強さがある人です。
だからこそ、自分が好きなものや、信じているものは、絶対ブレないんだと思います。それと、周りにいる人からの影響も大きいのではないでしょうか。
――シマにとって弥彦と四三はどんな存在なんでしょうか?
2人の影響力はすごく大きいと思います。
シマはもともとスポーツに興味があったので、三島家に仕えている時には、弥彦さんがエネルギッシュに過ごしているのを一番近くで見ていて、その姿に憧れがあったのではないでしょうか。四三さんとの出会いも大きかったと思います。
でも、女子のスポーツは求められていない時代だからこそ、「諦めなければいけないのかな」と考えてしまっていたと思うんです。
2人は、そういうシマ自身の中にあった思いをどんどん開花させてくれた存在だと思います。