ムロツヨシの千両役者ぶりを内田英治監督が絶賛「『Iターン』を見れば、ムロさんが“本物”だと分かる」
携帯電話の出方やビールの泡にこだわりが
――本作は「蒲田行進曲」や「セーラー服と機関銃」のような1980年代日本映画を目指した作品ということですが、ムロさんは昭和なイメージがなかったので、見ていて新鮮です。
ムロ:80年代風に偏り過ぎていなくて、さりげないのがいいですよね。新しくも見えるから、若い子たちが見づらいこともないと思います。でも僕も見ていて、「なんで新鮮味があるんだろう」と考えました。テンポがいいからですかね?
内田:僕も分からないです(笑)。でもあくまでも昔の映画をイメージしただけで、基本は現代のコメディーです。
――撮影中、現場でせりふが変わることが多かったそうですね。
内田:頻繁に変えましたね。演技って変化するから、脚本に縛られ過ぎてもいけないんです。
ムロさんは特に、どこにでも飛んで行っちゃうくらい自由なお芝居をするので変えました。でもムロさんは、携帯電話の出方にこだわりがあるんです。
ムロ:今は、携帯画面に相手の名前が出ているから、話してから「○○さんだ」と気付くのって難しいじゃないですか。いかにごまかさずにやるかというね。
内田:あと、ビールの泡にもうるさかったよね(笑)。
ムロ:泡があった方がおいしそうに見えるから。