柄本佑、初共演女優の貫禄ぶりに「頼りになる存在でした」
直木賞作家・白石一文の同名小説を映画化した「火口のふたり」が8月23日(金)公開(18歳未満入場不可)される。本作は、久々に再会を果たした元恋人同士の男女が、相手(女性側)が10日後に結婚すると知りながら刹那的な快楽と、その深みにハマっていく物語だ。主演を務めた柄本佑が演じるのは、離婚後独り身になって、ままならない人生を送っている永原賢治。「世界が終わるとき、誰と何をして過ごすのか?」をテーマに描かれる物語の中で、柄本が感じたものとは?
――柄本さんが演じられた賢治の印象は?
恐らく世間的に見たら、どうしようもないダメ人間だと思います。彼自身、それまで何も決めずに生きてきて、離婚、退職、再就職後も会社が倒産し、全てを失って、自暴自棄になって自分を無下に扱ってきたのではないかと。そんな状況で、自分の“身体の言い分”に身を委ね、久々に再会した直子(瀧内公美)との関係を続ける選択をします。
自分の“身体の言い分”に愚直なまでに従えるのはすごい選択だと思うし、ある意味、賢治は優しい男なのかなとも思いました。そこがこの作品を面白いと思った理由の一つですね。
――荒井監督のからの直接のオファーだったということですが、そのときはどのような状況だったのでしょうか?
僕が「秘密の花園」(2018年)という舞台をやっていたときに、荒井さんが見に来てくださって。それまでは荒井さんが僕の舞台を見に来るなんてことは一度もなかった上に、楽屋にまで来てくださったので、「荒井さん、どうしたんですか?」と聞きました(笑)。
そうしたら「『火口のふたり』という映画をやるから出ろよ」と言われて。そのときは僕も「スケジュールの都合がありますから(笑)」という感じで答えていましたが、心の中では絶対にやると決めていました。
8月23日(金)公開 R18+
配給:ファントム・フィルム
監督/荒井晴彦 出演/柄本佑 瀧内公美