阿部サダヲ演じる新聞記者・田畑政治を主人公に、第2部を放送中の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。
1932年のロサンゼルスオリンピックで日本が数多くのメダルを獲得し、大旋風を巻き起こしたのもつかの間、日本へ戻った田畑は、1940年のオリンピック招致を目指し、さまざまな難題にぶつかっていく。
そして、1936年の2月26日。陸軍の青年将校によるクーデター、二・二六事件が発生。ここから、不幸にも時代は戦争へと向かってしまう。
今回は、田畑の勤める新聞社の上司・緒方竹虎を演じているリリー・フランキーにインタビューを敢行。
阿部の印象や、バー「ローズ」での撮影エピソード、そして激動の昭和史の渦中にいる人物を演じた感想などを聞いた。
阿部さんの演技を見ていると、珍しい動物を見ているような感覚になるんです
――緒方が田畑をかわいがっていた理由は何だと思いますか?
何ですかね。入社試験では、緒方さんが田畑を落とそうとしたところを、当時の社長が「顔がいいから」と言って採用していますし、緒方さんが田畑を猫可愛がりしている理由がドラマでは明確に説明されていないんです。
当時の新聞社には、破天荒な人もたくさんいたんだと思うんですけど、緒方さんからしたら、田畑は新しいタイプのはちゃめちゃな人間で、活きが良くて、新しい時代を作ってくれそうに見えたんじゃないでしょうか。
――田畑を演じる阿部さんの印象はいかがですか?
阿部さんの演技を見ていると、珍しい動物を見ているような感覚になるんです。かわいらしい存在感もありつつ、めちゃくちゃなエネルギーを出しているところとか(笑)。
見ているだけですごく楽しいので、全てのシーンが印象的です。
――田畑が水泳の話ばかりしていた点については、どう思っていたんでしょうか?
当時の新聞社は、運動に対してあまり関心を持っていなかったと言うか、一つの事象でしかなかったんだと思うんです。
でも田畑のように、スポーツをエンターテインメントとして考える人が出てきたから、新聞もオリンピックについて取り上げるようになって、購買層も変わってきたんでしょうね。
もし田畑みたいにスポーツに熱中している人が当時いなかったら、スポーツにおいてもっと日本は遅れていたかもしれないと思います。
それに、単純にめちゃくちゃ好きなものがある人って、見ていて気持ちいいので、田畑も見てて「いいな」と思っていたんじゃないでしょうか。