役所広司が熱演!オリンピック東京開催に尽力した嘉納治五郎とは<いだてん>
9月29日(日)に放送された大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)では、役所広司演じる嘉納治五郎の死が描かれた。
同作は宮藤官九郎が脚本を務め、中村勘九郎と阿部サダヲのダブル主演で描く日本のスポーツの歴史物語。日本で初めてのオリンピックに参加した金栗四三(勘九郎)と、日本にオリンピックを招致した田畑政治(阿部)が奮闘する姿を描く。
講道館柔道の創始者でもあり、”日本スポーツの父”と呼ばれる嘉納は、アジア初のIOC委員となった人物。
日本のオリンピック初出場のために奮闘し、1912年のストックホルムオリンピックに選手団団長として参加。その後はオリンピック初のアジア開催を目指して東京招致に奔走し、同作には金栗四三篇からこれまで登場し続けている。
嘉納について同作のスポーツ史考証を務める筑波大学教授・真田久氏は、「これまでは柔道の嘉納治五郎というと、神様のように奉られてきましたが、『いだてん―』の嘉納治五郎は、喜怒哀楽がはっきりし、それでいて理想を見失わないキャラクター、つまり人間味のある人物として描かれていると思います。教育者やIOC委員としての治五郎の資料と照らし合わせると、実像に近いと思います」と語る。
また、嘉納が残した功績については、「日本のスポーツにとっては、オリンピックを通して国際舞台への道を開いたこと。オリンピックを契機に、陸上、水泳、テニス、サッカーなど様々なスポーツが世界に繋がっていきました。オリンピックに果たした功績としては、日本でのオリンピックの開催の意義を世界に認めさせたことでしょう。アジアでの初開催だけではなく、オリンピックを世界の文化にするために日本開催が必要だということを世界の人々が認めたということです」と話す。
そしてそんな嘉納の行動には、「オリンピックの理念にはスポーツによる平和な社会の建設という理想があるので、日本での開催により、治五郎の提唱する『精力善用・自他共栄』(スポーツや教育で得た自身の力を目的に応じて効率よく活用し、特に他者のために尽くすことで、自分と他者がともに繁栄すること)の考えを広め、平和な社会を実現しようとしていた」という思いが込められていたという。