仲野太賀と衛藤美彩のW主演映画「静かな雨」が東京フィルメックスで入選
仲野太賀コメント
韓国の方であろうが日本の方であろうが、今日ここで本作を見てくださった方々は、映画というものに対してすごくフラットで、すんなり受け入れてもらえたような気がしました。
客層も若い人が多かったので、聞いてみると韓国の学生の方たちが来ていたようでした。そういう若い人たちも能動的に映画祭に参加していることがすごくすてきだなと思いました。
こういうふうに映画を通して韓国の方と交流できたことがすごくうれしいですし、それが今回みたいな作品であることを誇りに思います。
この作品にクランクインする前に、中川監督とこの題材でどうやって良いものを作っていくかというディスカッションをたくさん重ねて、その結果、このような作品になりました。
記憶喪失もので男女のラブストーリーでもあって、でもそれでいて今作に似ている映画は他にはないなと思いました。それは中川龍太郎という映画監督の個性がこの作品にものすごく色濃く出ていて、どの系譜にもない、まさに中川監督の新境地といえる作品に仕上がっているからだと思います。
また、女優として第一歩踏み出した衛藤美彩さんの輝かしいデビューの姿も、ぜひとも見ていただきたいなと思っています。
衛藤美彩コメント
私は“こよみ”という、交通事故の障害で記憶をとどめておけなくなってしまった女性を演じたのですが、完成した映画を今日釜山で見て、改めて人は思い出で作られていくのではなく思いや気持ちで作られていくのだなと感じました。
見終わった後には、行助とこよみが平凡に幸せに生きていけたらいいなと思いました。
韓国の皆さまと一緒に映画を見て、前に座っている方や後ろにいる方がクスッと笑ったり、切なさから鼻をすすったりするタイミングが私と一緒だったのが印象的でした。やっぱり感情の動く部分は同じなんだなというところに気づき親近感が湧きました。
韓国の若い世代の方が見にきてくださっていて、太賀くんも仰っていたように、皆さんがいろいろな角度から熱意を持って作品を見られていて、映画というものが自分たちの生活のなかに取り入れられているんだろうなと感じました。
今はSNSとか写真を撮って物を残したりすることが多い時代ですが、本作は今の時代に“人は思いで作られている”と問いかけている作品なのかなと思いました。そういった所に注目していただきたいなと思います。
2020年新春より全国順次公開予定
出演=仲野太賀、衛藤美彩
三浦透子、坂東龍汰、古舘寛治、川瀬陽太
河瀬直美/萩原聖人/村上淳/でんでん
原作=宮下奈都
監督=中川龍太郎
脚本=梅原英司、中川龍太郎
▼公式サイト
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