「あ!アウトレイジだ!」と思って(笑)。
――師匠の志ん生を演じるビートたけしさんの印象はいかがですか?
配役を発表する前にごあいさつする機会があったのですが、「あ!アウトレイジだ!」と思って(笑)。
世界の北野武監督ですし、やっぱり最初は迫力があって…。勝手に怖いってイメージも持ってましたし、どんな方なのか全く想像もできなかったです。
五りんは志ん生って人がどのくらいすごい人なのか分かってないからこそ、あんな失礼な態度がとれると思うんですけど、そうじゃないとどこかしら気を遣った態度が出てくると思うんですよね。僕がたけしさんに気を遣ってしまうことによってアドリブでの返しとかに遠慮が出たりしたら嫌だな、中途半端にはなりたくないなと思って。
だから例えたけしさんに怒られたとしてもいいやと思って、おこがましいですけど僕からいろいろ質問させていただいたりしています。
でも、本当に優しい方で、ちゃんと質問に答えてくださいますし、それ以上にもいろいろ仕込んでくださったり。
“師匠”って怖がられてしまうけど、やっぱり師匠レベルの方は許してくれる器があるから師匠なんだなって感じました。
――大河ドラマへのご出演は4回目ですが、1年を通して出演するのは今回が初めてですよね。いかがでしょうか?
長いですね~。
今までは途中からの出演や誰かの幼少期の役だったので、最初から最後までというのは長いと思いました。
長いからこそ自分の役を客観的に見る余裕もあるし、役をどうやって育てていこうかというより深いところまで考えられるし、愛情が湧きますよね。短いからといって愛着が湧かない訳ではないんですけど。
自分の中でも「こんなキャラクターにしたい」という思いも強いですし、スタッフさんたちにも五りんをこう演出したいなっていう思いもあるでしょうし、みんなが愛情をもってそれぞれの登場人物を見てるなって感じます。
愛情をすごく感じる現場だなということを、期間が長ければ長いほど毎日のように実感することができますね。
――神木さん自身がこの作品を通してオリンピックに対して変わった思いや、来年のオリンピックで楽しみにしていることはありますか?
オリンピックは正直詳しくないです。頑張っている姿というのは本当に人の心を打ちますし、打たれている一人ではあったんですけど、「楽しいね、頑張れ、おぉ!」っていう皆さんと同じような楽しみ方をしていまいた。
それが「いだてん―」に携わったことで、「この人どうして水泳をやろうと思ったんだろう」とか、きっかけがすごく気になるようになりましたね。
そこにたどり着くまでに挫折を味わったり、それによって考えが変わったりといろんな方がいらっしゃると思うんです。それは選手に限らず周りのサポートチーム、スタッフチームの方も。
そういうそれぞれの人生をかけた物語を知ることができたら、より面白いだろうなと思います。