“ブラックな校則”に立ち向かう、理不尽さに屈しない男子二人の心意気<試写室>
創楽と中弥は、いつもの海岸でおしゃべりをしながら、裏コミュニティサイトで呼びかけた“誰か”を待つことに。そして彼らはその間、いわゆる“恋バナ”をする。もちろん、希央についてだ。ただ、この恋バナが少し変わっていて、見応えがある。
創楽は、名前の画数や、生年月日、受験番号などさまざまな数字と、“友愛数”、“婚約数”、“社交数”などと言われる方式を使っていかに希央との繋がりがあるのかを導いていく。そんな話を中弥は、少し引きながら聞いている。
わたしはこれがすごく、“創楽っぽいな”と愛おしくなった。自分の好きな人と、自分自身がいかにして結ばれるべきなのかを、頭を使って、紙に書いて親友である中弥に一生懸命伝えていく。
これが女子だとそういうことはあまりしなくて、ほとんどの女子が雑誌の一番後ろのページにある星座占いで自分と好きな人の星座を見比べる。特に、【恋愛コーナー】の“今、片思いの人は…”や、“今、両思いの人は…”という欄。この小さな枠に書いてある、合っているのかどうか分からない些細なことに、一喜一憂するのだ。
「ブラック校則」を見ると、一日だけでいいから制服が着たい、高校生に戻りたいと思うだろう。
社会に出ると、修学旅行で「早く寝なさい!」と怒ってくれるような先生がいない。体育祭で熱くなったあまりに、交流のなかった同級生と仲良くなって、次の日少し気まずい…なんてこともない。ドキドキするような席替えもない。あの瞬間って、本当にキラキラしていたと思う。
これから、創楽と中弥が社会に出たときに、「俺らの高校こんな面白い先生いたよな!」「校則変えるために学校サボったこともあったよな!」って、笑いながら話てくれてたらいいなと思う。
きっとあの二人なら、いつもの海岸でアイスを食べながら、これからもいろんな話をしてくれるだろう。
※SNSや独自調査を集計した、今熱い番組を計る新指標
※高橋海人の「高」は「はしごだか」が正式表記