衛藤美彩、仲野太賀とのW主演映画「静かな雨」中川龍太郎監督の印象は「言いにくい…(苦笑)」
中川監督、原作の実写化は初挑戦
「(この作品は)『音楽のいらない映画だな』というのが最初の印象でした」という高木は実際、監督にも「これ、音楽いらないんですけど、どうしましょう…?」と尋ねたとのこと。
最初に映像を見ながら即興的にピアノを弾いて曲をつけてみたと言い、「最終的にそれが(本編にも)残りました」と最初に感じたインスピレーションが、そのまま音楽として生かされていると語った。
中川監督にとっては、東京フィルメックスは「学生時代から行っていた映画祭」。日本の観客の前での初めての上映が思い出の映画祭ということで、「こうやって上映していただけて、ありがたいと思っています」と感慨深げ。
これまでオリジナル脚本で映画を作ってきた中川監督は今回、原作の実写化に初挑戦となる。
「原作の持っているおとぎ話のような世界観が、若い世代にとっての寓話になるようにというコンセプトで臨みました。原作があるからこそ、今まで出せなかったものを出し切ろうと、アイドル出身の衛藤さんとコラボさせてもらい、憧れの音楽家である高木さんに参加していただき、“同志”の太賀くんに作品の背骨を作ってもらいました」と振り返る。
そして、「そうやって、周りの仲間をどう集めるか?というところで、この原作を一種の寓話(ぐうわ)にできていたらいいなと思って作りました」と、共に映画を作り上げた周囲への思いを語った。
映画「静かな雨」ストーリー
大学で生物考古学研究助手をしている行助(仲野太賀)は、パチンコ店の駐車場でおいしそうなたい焼き店を見つける。そこは、こよみ(衛藤美彩)という真っすぐな目をした、かわいい女の子が一人で経営するたい焼き店だった。そこに通ううちにこよみと少しずつ親しくなり、言葉を交わすようになる。
だがある朝、こよみは交通事故で意識不明になってしまう。毎日病院に通う行助。そしてある日、奇跡的に意識を取り戻したこよみだが、事故の後遺症で記憶に障害があることが分かる。事故以前の記憶は残っているが、目覚めてからの記憶は一日たつと消えてしまうのだ。
行助は記憶が刻まれなくなったこよみと、変わらずに接していこうとするが…。外は静かな雨が降っていた。
2020年2月7日(金)より東京・シネマート新宿ほか、全国順次公開
<スタッフ>
監督:中川龍太郎
脚本:梅原英司、中川龍太郎
音楽:高木正勝
制作:WIT STUDIO、Tokyo New Cinema
配給:キグー
<キャスト>
仲野太賀、衛藤美彩、
三浦透子、坂東龍汰、古舘寛治、川瀬陽太、
河瀨直美、萩原聖人、村上淳、でんでん
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