長谷川博己「一年を通して一つのキャラクターを演じられる、こんな役者冥利に尽きることはないと思います」<大河ドラマ「麒麟がくる」インタビュー>
2020年の大河ドラマは、長谷川博己演じる明智光秀が主人公の「麒麟がくる」(1月19日スタート、毎週日曜夜8:00-8:45ほかNHK総合ほか ※初回は75分)。明智光秀といえば、謀反を起こして君主の織田信長を裏切った人物として知られているが、実は文献によって諸説ある。
今回はそんな謎の人物を演じる長谷川に、本作への意気込みについて話を聞いた。
「反逆児として信長を殺したという人もいれば、実はそうではないという説もあり、調べれば調べるほど分からなくなりました」
そこで長谷川は、池端俊策による脚本の中の光秀像だけに焦点を当てた。
「演じる上で、本能寺の変から逆算しないでくれとも言われていたので、調べたことは忘れて、池端先生の脚本の中にいる新しい光秀に集中しました。上司に対してズバッと言うなど、今作の光秀は知性と品性で突き進む人。会社や組織などにこの明智光秀みたいな人がいたら…と感じてもらえたらいいなと思って演じています」
そんな光秀が大切にしていることは、現代にも通じると語る。
「根本にあるのは、美濃の地を守りたいということ。成長して明智荘を出て、初めて国は大きいということを知り、守りたい土地も広がっていきますが、そういう気持ちは今もあるものだと思います」
美濃を出た光秀は多くの人と出会うが、第1回に登場する吉田鋼太郎演じる松永久秀もその一人。
「光秀と久秀が実際に若くして出会っていたら…という仮定においてのシーンなので、歴史ファンにはたまらない一幕になっていると思います」
また、ゆくゆくは光秀の運命を動かす織田信長(染谷将太)との出会いも当然描かれていく。
「染谷さんの独特のムードは、この作品での信長の雰囲気とマッチしています。マグマのようなものを持っているけれど、表面的にはサラッとしてるところが。お互いに何かあるなと思っている間柄なので、役者同士も距離を詰め過ぎないようにしている気がします」
この信長とはどんな出会い方をするのか、乞うご期待だ。
「一つのキャラクターを、一年を通して演じられるということはすごいですし、こんな役者冥利に尽きることはないと思っています。とても大変で、もうやだ!と思うことも正直ありますが(笑)、翌朝早起きして、広大な景色の中で朝日を見ながら演じていると、素晴らしい経験をさせていただいているなと思いますね」
撮影=諸井純二/取材・文=及川静
1/19(日)スタート
毎週日曜夜8:00-8:45ほか※初回は夜8:00-9:15ほか
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