主人公の相手役というよりは「もう一本の柱」
――駒は「麒麟がくる」のヒロイン的な役割も担っています。
“ヒロイン”っていうと、イメージ的には恋仲になったり、将来パートナーになったり、そういう立場が多いのかなとは思います。
ですが今回は、最初に「駒は妹分」とプロデューサーの方に言われたので、そことはまた違うヒロイン像を模索しています。
例えば、光秀は戦で世を作っていく人で、駒は医療で作っていく人。“相手役”というよりは、物語のもう一本の柱を担わせていただいている感覚が強いですね。
――初回には、タイトルを代弁するようなセリフもありました。
駒は戦災孤児で、だからこそ人一倍平和を願っていて。子どもの頃に聞いた麒麟の話をずっと信じてきて、その物語をどこか心の拠り所にして生きてきたと思うんです。
光秀は武士の目線から、駒は庶民の目線から、でも同じく平和を願っている2人が出会い麒麟の話をするシーンはやはりとても印象に残っています。題名を言うってなかなかないですよね。光栄なことだと思います。
――とはいえ、序盤では駒は十兵衛(光秀)に淡い思いを抱いているようです。十兵衛を思って切ない表情を見せるシーンも多いですね。
切ないです。届かぬ恋なので。きっとこの恋心がこれから十兵衛を支えていきたいという気持ちになり、それが、パートナーの関係性ではなく医療とか別の方向で支えていくという関係性に変わっていくのかな、という気が今はしていて。そういういい関係性に早くなりたいです。
――オリジナルキャラクターだけに、今後どうなっていくのかまだ誰にも分からないのも魅力ですね。
いつも堺さんや、同じくオリジナルキャラクターを演じている岡村隆史さんとも話しています。
「どうなるの? 聞いてる?」とか「最後までいるのかなぁ」みたいなことをいつも話してるんですけど(笑)。
史実に規定されないので自由にできるという意味ではすごく楽しいですし、今までさんざん描かれてきた光秀だったり信長だったり、その戦国時代の見方を一つ変えられる要素はたくさん持っているキャラクターなので、そこを担えるのはうれしいし楽しいです。