<アライブ>描きたかったのは「友情とは別の深い信頼関係」プロデューサーが語る最終話の注目ポイントは?
今期は医療ドラマが6作品と集中
――医療ドラマは視聴率が取りやすいなどと言われていますが、医療ドラマが多い時代に、あえて医療ドラマを作る理由は?
医療ドラマと刑事ドラマは大きく外れないだろうという思いがもとになっていると思います。とはいえ、「医療ドラマをやっていればいい」という安易な考えでやっている制作者は一人もいないはずです。
医療ドラマもいろいろあるジャンルの中のただの一つで、今期はたまたま6作品が存在したためにその論調が強いですが、これまでもそういうときは、なくはなかったのではと思うんです。個人的には、企画が被ってしまったりすることは、各局が別の会社なので、致し方ないことなのかなと。各業界でも同様の種類の商品が存在するのと同じことかと。全局で横並びの会議ができればいいんですけれども。
――他局のスタッフの方と、ジャンル被りについて話をしたことはありますか?
ないです。各局やっていることが違うので、違うように見えているんじゃないかとは思うのですが、大きく引いて見ると、供給できるドラマの数が限られている中で、視聴者の方へのサービスになっていないのではないかとも思ったりします。なので、完全に同内容の企画がバッティングしてしまったら、それは勘案すべきかもしれません。ですが、同じジャンルというだけで中身はそれぞれ全く違うと思うので、ジャンルが被っただけで他局の動向を探ろうとは思いません。
――太田プロデューサー自身の今後の展望を教えてください。
基本軸は、どのドラマも、大きな暗闇の中からどう抜け出して光を求めていくかというようなことがやりたいと思っています。他になんとなく考えているのは、これだけ情報があふれる時代ですし、メディアの形がなくなり始めているというか、どこで何を見聞きしたかを覚えきれないくらいネットメディアが台頭している中で、往年のメディアの存在意義や情報化社会、そこで働く人々の友情ストーリーができたらと思っています。
――最後に、「アライブ―」の最終話(3月19日[木]放送)に向けて、見どころを教えてください。
一番は、心と薫がどういう人生の選択をするのか、そして2人の絆は永遠なのか、2人がどう人生の荒波を乗り越えるかというところです。
あとは、それぞれの結実が描かれます。また、今作は民代さん(高畑淳子)とか京太郎さん(北大路欣也)とか人生の経験値を積まれた方々の言葉に注目していただきたいと思っていました。人生の諸先輩方が見てきたものは厚みが違うので、そういう方々が発する言葉一つ一つの重みが、心にも薫にも、もちろん見てくださる方にも届くし、染みるものになっていると思います。