<試写室>「M 愛すべき人がいて」“応援したくなるヒロイン”と心躍る90年代音楽に気分上々
「どうして泣いているの?」
幼少期に祖父が亡くなった時、火葬を終えるまで一切涙を流さなかった。「強い子だ」って褒められたかったからかもしれないし、両親が泣いているのに自分が泣いちゃ駄目だと子どもながらに気を使ったのかもしれない。
でも、火葬を終え、自宅で流れていたラジオから聴こえてきた冒頭のフレーズから始まる楽曲が流れた瞬間、大粒の涙が頬を伝った。
1999年当時、一気にスターへの階段を駆け上がっていたアーティスト・浜崎あゆみのファーストアルバム『A Song for ××』の表題曲の歌い出しだ。音楽を聴いて泣いたのは初めてだったので、今でも鮮明に覚えている。
当時は浜崎が夜の音楽番組で新曲を歌えば、翌日学校で話題になったし、CDの発売日を待てずに前日CDショップでフライングゲットする人も続出していた。
彼女が着た服やメークをそのままマネする女子がいたり、好きな女の子にあゆファッションを着せる男子がいたり…。
そのくらい大きな影響力があり、個人的にも青春時代にとても大きい存在として記憶に残っているし、大切なことを大体教えてくれたのが歌姫・浜崎あゆみだ。
そんな彼女の物語が令和2年の今、テレビドラマとして見られるとは感慨深いものがある。
各局で放送されているドラマやバラエティーなどを事前に視聴して、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト ザテレビジョン流「試写室」。
今回は、4月18日(土)にスタートする土曜ナイトドラマ「M 愛すべき人がいて」(毎週土曜夜11:15-0:05、テレビ朝日系)の第1話を取り上げる。