『エール』だけじゃない!“朝ドラ”と音楽の深い関係「潮騒のメモリー」では紅白出場も
「あまちゃん」はオリジナル楽曲で紅白に
実際にある曲を使用するだけでなくオリジナル楽曲がドラマを盛り上げることもある。
小泉今日子や薬師丸ひろ子、チェッカーズ等、なつかしの80年代メロディーも使用しつつ、登場人物がオリジナル楽曲もふんだんに歌ったのは「エール」のチーフディレクター吉田照幸が参加していた「あまちゃん」(2013年前期)。
脚本家・宮藤官九郎作詞、音楽担当の大友良英とSachiko M作曲による「潮騒のメモリー」は物語のなかで、主人公・アキ(能年玲奈/現・のん)と親友・ユイ(橋本愛)、アキの母・春子(小泉今日子)、女優・鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)たちによって歌い継がれていく。
そのほか「暦の上ではディセンバー」「地元に帰ろう」など名曲が誕生。「潮騒〜」と「暦の〜」は、その年の紅白歌合戦でも披露された。ちなみに、劇中、これらの曲に携わった音楽プロデューサー太巻を演じているのは「エール」でコロンブスレコードのディレクター廿日市を演じている古田新太であった。
朝ドラのオリジナル曲が紅白に出るのは「あまちゃん」がはじめてではない。
大阪を舞台にした「ふたりっ子」(1996年後期)では演歌歌手・オーロラ輝子(河合美智子)が劇中で歌った「夫婦みち」をオーロラ輝子名義で紅白歌合戦に出ている。
「ふたりっ子」の双子の主人公の子供時代を演じた三倉茉奈・佳奈は挿入歌「二千一夜のミュウ」でCDデビューし、その後、子供時代ではなく、れっきとした朝ドラヒロインとなった「だんだん」(2008年後期)では、シジミジル(SJ)という名前で歌手として活躍する役柄であった。
そして週タイトルは「赤いスイートピー」や「君がいるだけで」など実在するヒット曲のタイトルが使われた。
「ひよっこ」の後に再放送する「純情きらり」(2006年前期)は主人公(宮崎あおい)がジャズピアニストを志す物語。のちの夫(福士誠治)もピアニストである。余談だが、
主人公の地元・愛知県中岡崎は八丁味噌が名産である。