ハナコ岡部大、“芸人俳優”として開花!にじみ出る「純朴さ」が生むリアリティー
「エール」で純朴な青年・五郎を好演中
「―ナギサさん」の堀江は、ひょうきんで後輩からもいじられるチームのムードメーカー。バリバリ実績を上げる後輩・メイに内心焦りを感じつつも、輪を乱すことはせずメイのリーダーシップのもと仕事に没頭。ここぞという時は「俺もたまには一番取ってみたいです」とキラキラした表情で語り、チームの士気アップに貢献したりする。
「エール」で演じる五郎は、「作曲家になりたい」という大きな夢を持ち茨城の奉公先から飛び出してきた。まっすぐすぎるほど真面目な一方、気を遣うことが苦手で思ったことはそのまま口に出してしまう。よく言えば実直、悪く言えばデリカシーに欠ける人物だ。
偶然古山家で同居することになった音(二階堂ふみ)の妹・梅(森七菜)は当初、五郎のそんな実直さにイライラ。だが、良いことは良いと認めて口に出す五郎を知るにつけ、次第に梅にとって気になる存在になっていった。
梅に茨城なまりで「僕は、ダメな人間です。居場所なんて…どこにもない。でも梅さんは違う。素晴らしい小説を書く才能と、人をいつくしむ心がある。もっと、自分を好きになってください」と語りかける様子は、田舎育ちで人のいい青年そのもの。酔った勢いに任せ、梅を励ましたい一心で素直な本音を口にしてしまう。そんな五郎の照れくささがにじみ出たこのシーンに、見ているこちらも胸が温かくなる。
再放送を挟んだ影響もあり放送日が前後したが、「エール」での演技が岡部にとって初のドラマ出演だったという。
岡部自身の五分刈りが似合う高校球児のような風貌も、五郎の純朴さにピタリとはまった。理屈抜きで「この人、いいな」「ステキだな」と思わせる、そんな高度なことを岡部はドラマ1作目にしてやってのけた。五郎と梅の恋が描かれた第14週、視聴者からも五郎への共感の声、応援の声があふれた。