「ママが生きた証」真野恵里菜インタビュー前編『とにかく全力でやろうと思いました』
7月5日(土)に放送される阿部サダヲ主演のドラマスペシャル「ママが生きた証」(テレビ朝日系)で、阿部扮する主人公・武弘の義理の妹である聡子役の真野恵里菜にインタビューを敢行。重く見られがちな作品のテーマや自身が演じた役どころ、そして見どころなどを余すところなく語ってもらった。
――まずは率直な役の感想をお教えください。
実話だったのでやはり難しいというか、甘い気持ちではできないなと思いました。実際に私の役(のモデル)の方も撮影スタジオに来られていたのですが、私はお会いする機会がありませんでした。でも、その方から「台本には描かれていないけど実はこういうことがあったんだよ」と足されたアドリブシーンがありました。家族で食事をするシーンのときにお父さんがパネルを結婚式場から持って帰ってきちゃったというところで、それは実話らしいのです。台本にはなかったのですが、お父さんが「うちの娘が結婚しましたー」と大声で言ったのも本当らしくて、それも撮影当日に追加されました。
――お姉さん役を演じた貫地谷しほりさんの印象は？
プライベートでは私には姉ではなく兄がいるので、お姉さんってどんな感じなんだろうなと思っていました。貫地谷さんとは初めて共演させていただいたのですが、とても優しい方で、撮影初日から「真野ちゃん」と呼んでくださいました。そういうやり取りもあったので、終盤の病室のシーンは本当に息が詰まる思いでした。
――実話を基にした作品を演じる上で、心掛けたことは何ですか？
難しいけどその役に選んでくださったというのがとてもうれしかったです。今までなかなかそういう役を演じる機会がなかったので、分からないこともたくさんあるけどとにかく全力でやろうと思いました。
――主演の阿部さんはどんな方でしたか？
ほのぼのとされている方でした(笑)。マイペースな雰囲気で。一緒のシーンも結構あったのですが、本当に(役の)“タケちゃん”という感じがして、優しさが伝わりました。
――演じた真鍋聡子のキャラクターについて、共感するところは？
聡子は物事をはっきりと言うタイプで、そういうところは“妹気質”ですよね。そこは似ているなあと思いました(笑)。実際に聡子のモデルになった方もいらっしゃいますが、自分なりの聡子になったと思います。まだ完成した作品として見ていないので、オンエアが楽しみです！
――平泉成さん、市毛良枝さんら大御所俳優の方々と共演されましたが、現場で印象に残っているエピソードはありますか？
本当に共演の方々がいつもテレビで拝見している方たちばかりだったので、ここに自分がいるというのが不思議な感覚でした。最初はなかなかコミュニケーションを取ることができませんでしたが、お芝居を通じて徐々に打ち解けられました。平泉さんとのシーンで印象に残っているのは、お酒を飲んで酔っ払うシーンで、実際は本物のお酒じゃないのに「本当に酔っ払ってきちゃった～」と、せりふを忘れられたことですね(笑)。気持ちが入っているからこそのシーンだと思いますが、その姿がちょっとおちゃめで、かわいらしいと思いました。物語の設定では海の近くに住んでいて漁師の役ですが、こういうお父さんだったら毎日楽しいだろうなと。本当に現場は明るかったです。
――お姉さん役の貫地谷しほりさんから学ぶことは多かったですか？
多かったです！ 病室に医師の先生が来て、私たちがいるところで貫地谷さんが涙を流すシーンでは、一回目をやった後に貫地谷さんが「もう一度やりたいです！」とおっしゃったので驚きました。監督がOKを出したのに撮り直すような場面には今まで遭遇したことがなかったし、私の場合は自分で納得いかなくても監督がOKと言ったら「もう一度やりたい」と言うことができなかったので…。それから貫地谷さんが「もう一度やりたいです」と言った後、その後のお芝居のスイッチの入り方というか熱の入り方が全然違って、逆にこちらが泣きそうになるぐらいでした…。自分の感情をコントロールしているのがすごく感じられて鳥肌が立ちました！ 普段はスタッフさんたちと楽しくおしゃべりをしているのに、緊迫したシーンでは自分の空気感を作ってらっしゃって、とても勉強になりました。
(「ママが生きた証」真野恵里菜インタビュー後編へ続く)
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7月5日(土)夜9:00-11:16
テレビ朝日系で放送
